人気ブログランキング | 話題のタグを見る
短い期間に残した個性派ロック、マンサン
しばらく90年代のUKロックものから遠ざかってたような気がするので、今回は久しぶりにそこらあたりのアルバムでも。
という事で、すでに解散してしまっているけど、マンサンが97年に発表したデビュー・アルバム「ATTACK OF THE GREY LANTERN」でおます。

●MANSUN / ATTACK OF THE GREY LANTERN
●マンサン / アタック・オブ・ザ・グレイ・ランターン


短い期間に残した個性派ロック、マンサン_b0054129_22515246.jpg
Tracks
 1.Chad Who Loved Me
 2.Mansun's Only Love Song
 3.Taxloss
 4.You, Who Do You Hate?
 5.Wide Open Space
 6.Stripper Vicar
 7.Disgusting
 8.She Makes My Nose Bleed
 9.Naked Twister
10.Egg Shaped Fred
                      11.Dark Mavis


90年代のイギリスというと、今から思うと結局は何だったのか良く分からんブリット・ポップ・ブームがあったり、そうかと思えばロック自体が落ち目のような感じで言われてたりしてましたけど、個人的には別にイギリスのロックは死んだとは思ってなかったです。
まあ、ブリット・ポップそのものは当時から良く分からんかったし、それにロックが終わったのはイギリスじゃなくアメリカやろ!なんて事なら思ってたりしてたけども、イギリスのロックが死んだなんて事は全然思ってなかったですよ。
確かに全体的には多少のパワー・ダウンはあったかも知れんけど、それでも良いバンドが出てきてましたとも。

で、このマンサンもそんな良いバンドの一つなんじゃないでしょうか。
2003年に解散してしまったので、活動期間はそんなに長くないけど、それでもなかなかにカッコイイ、そして個性的な曲を残した名バンドだとオイラ的には思っております。

メンバーはヴォーカル&ギターのポール・ドレイパーを中心に、ドミニク・チャド(g)、ストーヴ・キング(b)、アンディ・ラスボーン(ds)という4人組でして、アルバムはこれまでに4枚残しております。
でも4枚目のアルバムは解散後にひっそりと出たもので、中身もしばらくお蔵入り状態やった曲や、未発表ものだったりを詰め込んだ、ポール・ドレイパーが一人で編集したちょっと特殊なアルバムだったりします。
だからかどうか分からんけど4枚目は売り上げもイマイチで、ひょっとしたら4枚目のアルバムそのものが出てる事さえ知らんかった人もいるかもって感じもするぐらい、影の薄いラスト・アルバムでありました。

まあ、そうなったのも4枚目のレコーディング中に解散したからなんですけどね。
もうちょっとしっかりした形で出てたらって事を、いまさらながらに思ってしまいます。

とにかく最後はちょっとグダグダやったマンサンですけど、デビュー当時はかなり騒がれて、このデビュー・アルバムもイギリスで初登場1位なんていう、なかなかに派手なデビューを飾ってました。
私も結構すぐに食つくように聴きましたけど、しっかりしたギター・ロックのような雰囲気もあり、ブリット・ポップな雰囲気もあるかと思えば、ちょっとダークな感じもあったり、でもグラム・ロックのような雰囲気もあったりで、そんないろんな要素がチラチラ見えるところが気に入りましたよ。
もちろんポール・ドレイパーの全体的に醸し出す妖しい雰囲気や、ヴォーカルそのものも気に入ったのは間違いないんですけどね。

そんな雰囲気はこの1年ほど前にデビューしたマリオンにも感じて、そのマリオンのヴォーカル、ジェイミー・ハーディングを初めて見た時のような感じが、ポール・ドレイパーにもしたような気がしますね。
顔が似てるとかじゃなくて、何となく歌い方が似てるような気がするし、なにより2人とも指でちょこんと体を押しただけで壊れそうな弱さと繊細さ、それに妖しさがある感じがするかな。
なのでマリオンが好きやった私はすんなりとマンサンを聴けたし、なかなかに気に入った次第でありますよ。

で、本題のアルバムについてなんですけど、マリオン同様、マンサンもフロントマンの何とも言えん妖しさが曲にもそのまま出てるのが特徴かなと思うけど、そのあたりの雰囲気が一番出てるのがこのデビュー盤かなと思います。
なので私はデビュー盤が一番好きやったりするんだが、実は一般的に2枚目の「SIX」の方に人気が集まってたりするんですけどね。
確かに「SIX」の方が有名な曲が多いし、アルバムの完成度も良いとは思うけど、私的にはデビュー盤の粗さと妖しさがあるこっちも捨てがたい。
それに「SIX」ほどではないかも知れんけど、このデビュー盤にも3,5,6という、タイプの違うシングルがあるし、全体的に聴き応えはあると思うしね。

なかでも私のお気に入りは5曲目の「Wide Open Space」だったりするんだが、この曲こそまさにマリオンの時に感じた繊細で妖しい雰囲気に満ちたもので、マンサンを好きになった最初の曲だったりします。
曲としてはクドイぐらいの繰り返し三昧な曲なんですど、なんか好きなんですよね。
ポール・ドレイパーのファルセットも良い感じですし。

って事で、惜しくも解散してしまったマンサンですけど、聴いた事がない人は機会があれば「へー、こんなバンドもあったんや」という程度に聴いて見て下され。
とりあえず1枚目と2枚目は聴いてみて欲しい感じ。
あとマンサンほど知名度のないマリオンも良いバンドだったんで、機会があれば聴いて欲しいけど、こっちはもう廃盤になっとるからなー。

まあ、たまにはマリオンの事も思い出してあげて下さい。
一応、マリオンは再結成してるようだが…。

MANSUN - Wide Open Space
by sy_rock1009 | 2008-07-29 23:22 | 洋楽アルバム・90's
<< ドラゴンクエストV 天空の花嫁 ちょこっとマンガを読んでみた。 >>