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ジェフ・ベックの方向性を決めた名盤
第1期でのアルバム、「TRUTH」で見られるような強烈にテンションの高いジェフ・ベック・グループは最高にカッコイイけども、後の「BLOW BY BLOW」に通じるジャズ/フュージョンっぽいロックを見せてる第2期もやっぱカッコイイのであります。
理由はと言われても「ジェフ・ベックだから」としか言いようがありません。
って事で今回はそんなジェフ・ベック・グループでも第2期の方で、いわゆる”オレンジ”と呼ばれてる72年のアルバム「JEFF BECK GROUP」です。

●JEFF BECK GROUP / JEFF BECK GROUP
●ジェフ・ベック・グループ / ジェフ・ベック・グループ


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Tracks
1.Ice Cream Cakes
2.Glad All Over
3.Tonight I'll Be Staying Here With You
4.Sugar Cane
5.I Can't Give Back The Love I Feel for You
6.Going Down
7.I Got To Have A Song
8.Highways
9.Definitely Maybe



第1期のスタートはヴォーカルにロッド・スチュワート、ベースにロン・ウッド、ドラムにエインズレー・ダンバー、そして当然ギターにジェフ・ベックという、もう笑ってしまうぐらい凄いメンバーだったジェフ・ベック・グループですが、第2期もその時ほどのインパクトはないけどもなかなか凄いメンバーが集まりました。
ボブ・テンチ(vo)、マックス・ミドルトン(key)、クライヴ・チェアマン(b)、そして何といっても当時はまだ無名だったが後にZEPのボンゾと並ぶHR/HM界のスーパー・ドラマー、コージー・パウエルを迎えて第2期はスタートしました。

でも、順調に行ってれば第2期は存在せずに、第1期解散後、ロッド・スチュワートのヴォーカルだけそのままで、ヴァニラ・ファッジのティム・ボガートとカーマイン・アピスという、ベックが組みたがっていた2人を入れて新しいバンドを結成しようとしてたんですよね。
まあ、このへんの話は有名やけど、結局、ロッド・スチュワートはロン・ウッドと一緒にスティーヴ・マリオットがハンブル・パイ結成に突っ走る事で空中分解したスモール・フェイセズの残党と合流してフェイセズを始動したり、肝心のベックも事故を起こして全治3ヶ月の重傷を負ったりと、踏んだり蹴ったりで本来の思惑とは違う方向に…。

そんな感じでベックが思ってたような形ではないスタートをした第2期だったりしますが、そこはやっぱり妥協を許さないジェフ・ベックという人。
当初の思いとは違うメンバーになったとはいえ、凄いアルバムを作ってくれますよ。
特にこのオレンジはホンマにカッコイイ。
人によってはオレンジが最高傑作という人も多いですもんね。

ベックの最高傑作はと聞かれてもいっぱいあって返事に困ってしまけども、オイラも間違いなくオレンジはベックの全キャリアの中でも5本の指に入るぐらい好きです。

って事でそんなカッコいいオレンジですけど、基本的なベースはもちろんブルーズです。
これは第1期で出した2枚のアルバム、そして第2期でも2枚のアルバムを出したんですけど、オレンジだけでなく、この4枚すべてに共通してブルーズというものがあります。
まあ、アルバムによってブルーズ色の濃さは違うけど、基本的にはブルーズなのだ。
でもブルーズを基本としながらも第1期と第2期の違いもあって、第1期はどっちかというとヘヴィーな感じに仕上がってると言えるかな?
フィードバック奏法は当然ながら、ハード・ロックのギタリストとはこういう事ですよ!というお手本のようなベックのギターや、リズム隊の熱さがなかなかにヘヴィーなものになってたように思います。
特に「TRUTH」では。

そんで第2期の方はそんなヘヴィーさよりもファンキーなグルーヴ感が目立ってて、バンドとしてのアンサンブルを重視してる感じであります。
このへんは第2期の1stでオレンジの前作である「ROUGH AND READY」にも現れてるけど、ジャズ奏法が入ってたりでファンキーな色が見えます。
黒人ミュージシャンを加えてるのでブルーズの要素もちょっと強くなってはいるが、やっぱそれ以上にファンキーなブルーヴ感が良い雰囲気を出してますね。

ですので続くこのオレンジもその延長線上というアルバムになってますよ。
レコーディングも「ROUGH AND READY」と同じメンバーですし。
ブルーズ色はさらに強くはなってるけども、よりバンドとしてのアンサンブルを重視してるようなサウンドで、かなり聴きやすいアルバムになってます。
ブルーズな要素とハード・ロックな要素と、そしてファンキーな要素が上手く絡んでるのもこのアルバムの好きなところでもあります。

それにベックのギターの音、一つ一つに対するこだわりも非常に良い感じですよ。
特にラストの「Definitely Maybe」「BLOW BY BLOW」に通じるインストゥルメンタル・ナンバーで、とんでもなくカッコいいギターが聴けますよ。
もちろんそれ以外の曲も良く、はっきり言って全部カッコいい、文句の付け所がない名盤中の名盤と言えるアルバムだと思います。
その後のジェフ・ベックという人の方向性を決めたという事でも重要なアルバムでもありますしね。

やっぱロック好きなら押さえておきたいアルバムです。

という事で「Definitely Maybe」ですけど、相変わらずコージーはカッコいいシンバルの音を出すなー。
by sy_rock1009 | 2008-04-25 23:05 | 洋楽アルバム・70's
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