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オービーでもバービーでもない!
この前はレニー・クラヴィッツのアルバムを書いたので、次に続くのはこの人のアルバムかなーなんて思ったのが、テレンス・トレント・ダービーだったりします。
現在は夢のお告げがあったとかで”サナンダ・マイトルーヤ”という、けったいな名前にして活動しておりますが、まあ、元阪神タイガースのグリーンウェルのように神のお告げとか言って、たった7試合出ただけで引退してしまうよりかは全然マシやけどね。
って、グリーンウェルはもうどうでも良いけど、とにかく今回はテレンス・トレント・ダービーの3枚目のアルバム「SYMPHONY OR DAMN」(93年)であります。

●TERENCE TRENT D'ARBY / SYMPHONY OR DAMN
●テレンス・トレント・ダービー / シンフォニー・オア・ダム


オービーでもバービーでもない!_b0054129_2226318.jpg
Tracks
 1.Welcome To My Monasteryo
 2.She Kissed Me
 3.Do You Love Me Like You Say?
 4.Baby Let Me Share My Love
 5.Delicate
 6.Neon Messiah
 7.Penelope Please
 8.Wet Your Lips
 9.Turn The Page
10.Castilian Blue
                      11.T.I.T.S. /F&J
                      12.Are You Happy?
                      13.Succumb To Me
                      14.I Still Love You
                      15.Seasons
                      16.Let Her Down Easy


アナクロ野郎で昔のロックのマネをしてるだけという批判がデビュー当初のレニー・クラヴィッツに対してあったけども、このテレンス・トレント・ダービ(長いので以下、TTD)の方はと言うと、そのレニー・クラヴィッツのマネという声もチラッとあったりしました。
あと、プリンスと。

確かこの「SYMPHONY OR DAMN」が出た後にツアーで日本にも来たけども、その時のキャッチコピーも”プリンスのようにセクシー、レニーのようにワイルド”だかなんだかの言葉が当てはめられてたような気がする。
10年以上前の事なんで正確にそのコピーを覚えてるわけではないので微妙に違うところはあるかも知れんけど、とにかくこの2人に例えられてたのだけは間違いない。

でも、実際にTTDの音楽をじっくり聴いてみると、そんなにプリンスやレニーの影なんて見えてこない気が私的にするんですよね。
というか、TTDのレコード・デビューは87年で、89年にデビューしたレニーより2年も早いので、プリンスはともかくレニーと比べるのはどうかと思ったりするけども。

やっぱり知名度の違いやろうか…。

だからと言って決してTTDの知名度が低いとは思わないんですけどね。
なにせデビューがあまりにも衝撃的で、誰もが天才と称えたぐらいに素晴らしい才能と共に世に出た人であるし、アルバムの方も1200万枚以上売れたので、デビューの鮮烈さはTTDの方がレニーだけでなくプリンスよりもかなり上でしたもんね。

ただ、残念ながら長続きしなかった…。

2枚目でズッこけて(個人的には2枚も好きだが)、そのタイミングにレニーがデビューしたのでみんなの目がそっちに行ってしまったのが、そのまま今にまで至ってるような気がしないでもない。

う~ん、なんという運のなさ…。

そんな不遇の天才とも言えるTTDではあるけど、デビューから6年後に出した3枚目となるこのアルバム「SYMPHONY OR DAMN」で、デビュー時ほどではないけども評価を取り戻しました。
全体的にロック色が強くなってはいるが、相変わらずTTD流のロックなのか、ファンクなのか、ソウルなのか分からない、独自の音楽スタイルは健在で、なによりアルバム全体としてのバランスはデビュー・アルバムよりもこっちの方があるように感じて私はこのアルバムが一番好きだ。
もちろんデビュー・アルバムも大好きではあるけど。

で、アルバムなんですけど、とにかくこの人の場合は色んなジャンルから良い所を抜き取って、それを自分なりのサウンドとして表現している洗練さに尽きるんですけど、それ以上にこの人の声そのものが凄い。
87年にアルバムに先駆けて出したデビュー・シングル「If You Let Me Stay」を初めて聴いた時は、そのあまりの凄まじいヴォーカルに私はビックリしましたよ。
ちょっとザラついた質感から飛び出る圧倒的なヴォーカルだけを聴いてみても、やっぱり天才と言わざるを得ないもんがあります。

もちろんその圧倒的なヴォーカルはこのアルバムでも健在で、「She Kissed Me」のようなロック色の強い曲から、「Do You Love Me Like You Say ?」のようなグルーヴ感が抜群のファンキーな曲まで、存在感のありまくるヴォーカルを披露しております。
それ以外にも名バラード「Delicate」では、デズリーとのデュエットでしっとりと歌ってるし、とにかく聴かせてくれるヴォーカルが全体で堪能できますね。
ちなみに「Delicate」はジョン・レノンが日本の俳句などから影響を受けて、それを作詞に反映したアルバム「JOHN LENNON/PLASTIC ONO BAND」にならって、書かれた曲であります。
だからシンプルながら、なかなかグッと響いてくるものがありますよ。

とにかく圧倒的なヴォーカルから独自のサウンドが飛び出すこのアルバムは、良いアルバムなので一度は聴いてみて欲しいもんであります。

って事で、このアルバムで私が一番好きな「Do You Love Me Like You Say ?」あたりの動画でもここで貼り付けて終わるところではあるけど、出来の悪いものしかなかったので、このアルバムとは関係ないけどプリンスもライヴでカバーした事のあるデビュー曲の「If You Let Me Stay」を貼っておく事にしました。

こういうところでも何となくTTDの扱いが分かる感じで、私的にはチト寂しい…。
by sy_rock1009 | 2007-11-05 23:33 | 洋楽アルバム・90's
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