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ヒープの全盛期を代表するアルバム「悪魔と魔法使い」
レッド・ツェッペリン、ディープ・パープルという2大巨頭を前にしてはどうしても影に隠れてしまうが、それでも独自の幻想的でかつ重厚なサウンドで、ブリティッシュ・ハード・ロック界に名を残したバンドがユーライア・ヒープだ。
今回はそんなヒープの全盛期を代表する72年発表の「DEMONS AND WIZARDS」というアルバムを紹介です。

●URIAH HEEP / DEMONS AND WIZARDS
●ユーライア・ヒープ / 悪魔と魔法使い


ヒープの全盛期を代表するアルバム「悪魔と魔法使い」_b0054129_1323024.jpg
Tracks
1.The Wizard
2.Traveller in Time
3.Easy Livin'
4.Poet's Justice
5.Circle of Hands
6.Rainbow Demon
7.All My Life
8.Paradise
9.The Spell



ヒープの代表作と言うと「対自核」という訳分からんすぎる邦題の3枚目のアルバム「LOOK AT YOURSELF」が、まずは思い浮かぶ。
本国イギリスで39位と初チャート・インし、タイトル・ナンバーが大ヒットするなど、一躍
ヒープの名は世界に広まったわけだが、まさに代表作というものである。
しかし、それに続いて発表したこの4作目となる「DEMONS AND WIZARDS」も負けず劣らずの代表的アルバムだ……というか、こっちの方がアルバムの完成度は高い。

ロック・ファンなら一目で分かるであろうロジャー・ディーンのジャケットによるこのアルバムは、それまでの幻想的で重いイメージやサウンドといったものだけでなく、アコースティックな要素を導入するなど新たな方向性を示し、叙情性も含んだサウンドへと変化している。
そのあたりがヒープにしかない独自のハード・ロックとなっていて、他のバンドとは一線を画すものになってると思んだな。
と言ってもデビュー時からヒープは他のハード・ロック・バンドとは違っていて、ハード・ロックのクセにギターではなくキーボードを前面に押し出したもので、そこらへんは当時のブリティッシュ・ハードでは異質なものになっている。
しかも今は亡きヴォーカルのデヴィッド・バイロンも歌はめちゃくちゃ上手いが、異様なまでのハイトーン・ヴォイスとなっていて、その声とキーボード主体のサウンドが、異質さ倍増のハード・ロックになっている。
その為、良識派の批評家達には非難されたりもしてたようだが、なかなかの実力バンドでそういうユニークさも含めて私は好きだったりします。

まず、いきなりのアコースティックを押し出したオープニングが素晴らしすぎる。
ロジャー・ディーンのジャケットのイメージそのままの曲で、このアルバムのコンセプトを
明確に表現した名曲と言えるもので、私の大好きな曲だ。
3曲目の「Easy Livin'」は、アメリカのシングル・チャートで23位を記録した、これも
名曲といえるものである。
この2曲もそうだが、全体的にはシンプルな曲構成ながらも、バイロンの不必要なほどに力強いヴォーカルとキーボード主体のサウンドが相まって、シンプルながらもしっかりハードさを演出している。
このあたりがヒープの最大の特徴って感じでしょうか。
しかし、その濃い特徴が気に入るかどうか、結構人を選ぶサウンドでもあるので、そのあたりがZEPやパープルに及ばなかった原因だと言えなくもないが…。
それでもブリティッシュ・ロックが好きなら一度は聴いて欲しいかな。
キーボード主体とは言え、ギターもカッコいいし、なによりベースがかなり上手い。
そのへんもお薦めである。

そのベーシストだったゲイリー・セインは感電事故が原因で再起不能になり解雇、後に
オーバードーズで亡くなったり、ヴォーカルのバイロンも亡くなったり、後釜でバンドに入った元キング・クリムゾンのジョン・ウェットンは好き勝手にバンドを引っ掻き回すだけ回して脱退したりとメンバー交代や不幸も多く、また80年代にはレコード会社が倒産したりと、とにかく紆余曲折がありすぎるバンドではあるが、それでも70年代のブリティッシュ・ハードを支えたバンドには違いない。
まさにブリティッシュ・ハードの創世記を飾った名バンドである。

機会があればどうぞ聴いて下され!
by sy_rock1009 | 2005-12-27 01:35 | 洋楽アルバム・70's
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