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アーノルド・レーン
最近、私は初期のピンク・フロイドの作品を聴きかえしている。
特にデビュー・アルバム「THE PIPER AT THE GATES OF DAWN」を聴いている。
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この「夜明けの口笛吹き」という邦題のアルバムは唯一シド・バレットが全面的に参加したアルバムで、まだ音楽的にはプログレというよりも、サイケ・ロックといった感じのものになっている。
その為か最初の邦題も「サイケデリックの新鋭」と、なんともすごいものになっていた。
だが、アルバムの方も良い意味で凄いです。
シドの作る曲は独特のものがあり、そのあたりが完全な隠居生活を送って長くなるシドの事をいまだに好きなファンが多いという証拠だと思う。
特に詞がシドにしか書けない内容のものが多いです。

例えばこのアルバムには収録されていないが、フロイドのデビュー・シングルに
「Arnold Layne」という曲がある。
デビューながら全英で20位とまずまずのヒットを記録した曲であるが、詞がまさにサイケというものである。
内容は女装癖のある男、アーノルド・レーンが下着を盗み、刑務所に入れられるという物凄いものになっている。
楽曲としてはポップなもので聴きやすいが、内容が内容だけに当時は放送禁止になったようだ。
またこの曲のビデオも訳が分からんもので、メンバーが砂浜でマネキンと遊んでいるだけ。
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これがそのワンシーン

後にビートルズに匹敵するほどの大物バンドになるフロイドの原点は、このサイケさにあったんですね。
ちなみにフロイドがデビュー・アルバムをレコーディングしていた時、隣の部屋ではビートルズが「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」をレコーディングしていた。
しかもフロイドのアルバムのプロデューサーはビートルズの「RUBBER SOUL」までエンジニアをしていたノーマン・スミスだった。
この時、ビートルズのメンバーも隣のフロイドのレコーディングの様子を見に行ったりしてたようだが、特にポールは熱心に訪れていたようだ。
このあたり、ポールの貪欲なまでの探究心というのが垣間見れるエピソードである。
後にポールはギルモアと一緒に仕事もするので、接点がなさそうなビートルズとフロイドにも、ちょっとした接点があるのがおもしろいですね。

話はそれたが70年代以降のフロイドしか知らない人も、一度サイケ時代のこのアルバムを聴いてみるとおもしろいかも知れません。
by sy_rock1009 | 2005-05-09 00:40 | ピンク・フロイド
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