カテゴリ:洋楽アルバム・80's( 12 )
ガンズが見せた破壊欲
単独としては14年ぶりの来日公演も、無事に終わったガンズ・アンド・ローゼズ。
ホンマにちゃんと来るんかと少しは思ったりもしたけど、そんな心配もよそに、結構な盛り上がりを見せてたみたいで、何だかんだでアクセル健在という感じだったようで。
という事でライヴが終わってから紹介するのもどうかと思うけど、今回はガンズの87年のデビュー・アルバム「APPETITE fOR DESTRUCTION」です。

●GUNS N' ROSES / APPETITE fOR DESTRUCTION
●ガンズ・アンド・ローゼズ / アペタイト・フォー・ディストラクション


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Tracks
 1.Welcome To The Jungle
 2.It's So Easy
 3.Nightrain
 4.Out Ta Get Me
 5.Mr. Brownstone
 6.Paradise City
 7.My Michelle
 8.Think About You
 9.Sweet Child O' Mine
10.You're Crazy
                      11.Anything Goes
                      12.Rocket Queen


今回のツアーでのアクセルは終始ご機嫌だったみたいで、なかでも大阪は最長のライヴ時間で盛り上がってたみたいですね。
なんか「Rocket Queen」も演奏したみたいで…。
こりゃ良い意味で極上の懐メロ大会が開催されたようなライヴやったんですね。
うー、つくづく行かんかった事を後悔します。
って、いまさら思っても遅いけど、とにかく相当な失敗をしてしまったよ。

まあ、そんな事はどうでも良くて、ガンズがデビューした時期はロサンゼルスを中心にしたヘヴィ・メタル・ブーム、いわゆる”LAメタル”というものが下降していってる時期やったけども、ガンズはそのLAメタル期の最後のバンドにみられたりする事もあるようです。
でも、私的にはLAメタルの中にガンズを入れたくはないんですよね。
それは単純に私がダサいバンドばっかりやったLAメタルが大嫌いで(LAメタル好きな人ごめんなさい)、そんな連中とガンズを一緒にして欲しくないってのもあったけども、ガンズの音楽自体もLAメタルによくあったルックス重視で肝心の音楽はクソみたいなものとはちょっと違ってたんですよね。(LAメタル好きな人ごめんなさい)

確かにガンズもルックスはLAメタルのそれに当てはまってた感じもあったけども、音楽はかなり他とは違うような感じでしたね。
80年代の後半からのメタル・シーンはイングヴェイの影響でギターの速弾きが広まっていったりもしたけど、そんな中、ガンズは楽曲そのものの表現力を重視してたのが特徴かな。

もちろんテクニックもあったけど、他のバンドのように速弾きを追求するあまり、あるいはルックスにこだわるあまり、薄っぺらい音楽を作るという事はなかったように思うよ。
自分達のルーツになった色んなバンドの良いところを自分達なりに表現した、ある意味、温故知新なガンズの音楽はLAメタルが終わって速弾きブームに突入するかという時期においては、逆に新鮮やったね。
70年代のハード・ロックにあったような生々しいロックがガンズにはありましたよ。
私的にそういうところがガンズの一番好きなところです。

で、そんな80年代の後半にあえて70年代のような攻撃的で生々しいハード・ロックを見せたのが、長い前置きとなったがこの「APPETITE fOR DESTRUCTION」ですね。
定番中の定番で、間違いなく超名盤でもあるアルバムやから、いまさら説明もいらんと思うけど、とにかく捨て曲一切なしというアルバムです。
1、2、3、6,9とシングル・カットされた有名な5曲だけでなく、それ以外の曲も良いのばっかりですよ。

かなりアクセルのヴォーカルがクセの強いものなんで、そこさえ気にならなければ、もともと歌はめちゃくちゃ上手いし、スラッシュのギターも調子っぱずれな時もあるけどカッコイイのはカッコイイし、ホンマに良いです。
もちろん私の好きなイジーも最高です。
やっぱり80年代で屈指の名盤なんで、このアルバムもハード・ロック好きなら是非とも持っておきたい一枚ですね。

ちなみにアルバムは発売から約1年が経ってチャートの1位に輝きました。

という事で今回はいくら有名なアルバムとはいえ、ほとんど説明もなく、単に私がガンズの事を好きって事しか言ってないような感じなんで、それだけじゃ全くアルバムの紹介になってないから、一応、最後にガンズ唯一のNO.1シングル「Sweet Child O' Mine」を気持ち程度に貼っておきます。

ガンズのこういう曲のテイストがやっぱ良いんですよね!
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by sy_rock1009 | 2007-07-25 21:42 | 洋楽アルバム・80's
ポンプ・ロックの最高峰
80年代初期のイギリスでひっそりとプログレッシヴ・ロック・ムーヴメントが起きたりしたわけで、70年代のプログレ・バンドに影響された新しいバンドが出てきました。
そのムーヴメントの事を最初はネオ・プログレッシヴなんて言ってたが、そのうちにポンプ・ロックという呼び方になったんですけど、とにかく80年代初期に新しいプログレ・バンドが出てきたのだ。
という事で今回はそのポンプ・ロックの頂点に立つバンド、マリリオンの85年に発表した
3枚目のアルバム「MISPLACED CHILDHOOD」です。

MARILLION / MISPLACED CHILDHOOD
●マリリオン / 過ちの色の記憶


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Tracks
 1.Pseudo Silk Kimono
 2.Kayleigh
 3.Lavender
 4.Bitter Suite
 5.Heart Of Lothian
 6.Waterhole (Expresso Bongo)
 7.Lords Of The Backstage
 8.Blind Curve
 9.Childhoods End?
10.White Feather


3枚目のアルバムとは言ったものの、実はライヴ盤をこのアルバムの前に出していたので、正確にいうと4枚目となります。
通算で4枚目、スタジオ盤としては3枚目ってトコですね。
マリリオンのデビューは82年でこのアルバム時点でのメンバーはフィッシュ(vo)、スティーヴ・ロザリー(g)、ピート・トレワヴァス(b)、マーク・ケリー(key)、イアン・モズレー(ds)という5人組。
もともとポンプ・ロックというのはこの少し前にNWOBHM(ニュー・ウェーブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)ってムーヴメントがあって、そこからチョロッと派生したような感じなんですけど、この時期、生粋のプログレ野郎の集まりだったエイジアがポップ寄りなスタイルになっていったのに、マリリオンは70年代のプログレを表現してたってのは、ちょっとおもろい感じではあるかな。

そんな70年代のプログレを継承するバンドはマリリオン以外にもペンドラゴンやパラスといったバンドがあったけど、それぞれに影響されてるバンドが音楽を聴いていって分かる感じです。
例えばペンドラゴンはキャメルの影響が、パラスはイエスからの影響が出てました。
キング・クリムゾンからの影響があったレッドってバンドもあったかな。
で、マリリオンはどのバンドからの影響かと言えば、間違いなくジェネシスだったりする。
もちろんピーター・ガブリエル時代のジェネシスです。
シンフォニックなサウンドはかなりの影響を受けてそうな気配がプンプン漂いますけど、それだけじゃなくヴォーカルのフィッシュの歌詞を含めた曲の世界観や、ピーター・ガブリエルのような三文ミュージカルみたいな芝居がかった歌い方まで、かなりジェネシス的です。

それだけ似てるのでジェネシスのコピー・バンドってな感じでちょっと冷たい目で見られたりする事もあるけども、だからと言ってマリリオンにはマリリオンなりの個性もあるし、実力もアルバムを出して行くごとにつけていったりもしたので、単なるコピーじゃないのがこのバンドの良さやと思うし、私の好きなところでもある。

で、この「MISPLACED CHILDHOOD」というアルバムなんですけど、何だかんだ言われながらも着実に力をつけていった成果が出た、マリリオンの最高傑作なんです。
すでにデュラン・デュランとかカルチャー・クラブとかのニュー・ロマンティック全盛やったイギリスで、時代遅れ的なプログレ・バンドのこのアルバムがヒットしたってのは偉業というか、かなり異質やったかも知れません。
シングル・カットされた2曲目の「Kayleigh」なんかイギリスのチャートで2位になったぐらいやしね。
でも、それだけ良いアルバムって事なんですよ。

プログレと言えばコンセプト・アルバムって事で、このアルバムもやっぱりコンセプト・アルバムになっていて、ヘルマン・ヘッセ著の「デミアン」の主人公とフィッシュ自身の幼年期にあった出来事を重ね合わせたものをベースにしたっていう、なんだか良く分からんコンセプトのもと、全体的に内情的な雰囲気を出しつつ、ときにモダンに、ときにドラマティックにアルバムをきっちりまとめてます。
曲と曲もほぼ途切れる事なく進んで行くので、収録曲全部で1曲って感じの、なかなか壮大な構成になってるし、それだけのものを一気に聴かせるだけ、各パートできっちりしたものを見せてる感じですね。
だからどの曲がお薦めってのはなく、まあ、全部お薦めとなってしまいますな。
それでもあえて一曲だけ選ぶと「Blind Curve」かな。
ピンク・フロイド的な泣き泣きのギターが劇的にカッコイイです。

やっぱこのアルバム最高ですよ。

最近になってジェネシスに興味を持ったという人は、このアルバムも是非とも聴いて欲しいですね。

ちなみにフィッシュは88年に脱退してしまったので、強烈な個性だったフロントマンを失ったマリリオンも終わったかと思わせといて、94年にもこのアルバムに匹敵するぐらいの傑作、「BRAVE」というアルバムもあるので、機会があったらコッチも聴いて欲しい。
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by sy_rock1009 | 2007-04-10 21:34 | 洋楽アルバム・80's
スーパー・バンド、エイジア
今、ちょうど日本公演中ってのもあるし、私自身も行って来てバッチリ堪能したってのもあるので、やっぱ今回はこのアルバムしかないでしょう。
って事で、エイジアの82年のデビュー・アルバム「ASIA」です。

ASIA / ASIA
●エイジア / 詠時感~時へのロマン


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Tracks
1.Heat Of The Moment
2.Only Time Will Tell
3.Sole Survivor
4.One Step Closer
5.Time Again
6.Wildest Dreams
7.Without You
8.Cutting It Fine
9.Here Comes The Feeling



キング・クリムゾン、イエス、EL&P、そしてバグルスという偉大なバンドに在籍していた
実績・知名度ともに十分な4人が結成した事から、スーパー・バンドってな呼ばれ方もしたのがこのエイジアというバンドです。
今までにも色々なスーパー・バンドと呼ばれるものがあったけど、多分、80年代ではナンバー・ワンのスーパー・バンドだったと思います。
って、いまさらそんな説明はいらんぐらい、とにかく有名なバンドで、そして有名なアルバムがこのデビュー盤の「ASIA」ですね。

とにかく売れました。
めちゃくちゃ売れました。

何しろビルボードで9週連続1位、この年の年間アルバム・チャートでも1位という、それはそれは凄い売れっぷり。
さすがスーパー・バンドってだけありますね。

でも実際にはプログレの猛者たちが集まったバンドのわりに、全然プログレっぽくなく、全曲4~5分のコンパクトにまとめられたポップ志向なロックになっていたので、結構、批判も多かったようです。
特に70年代のプログレ全盛時を生で味わったプログレ・ファンの間では相当なガッカリ感があったようですね。
まあ、クリムゾン、イエス、EL&Pが合体したら、どんな大作が出来るんやろ?ってな感じで、期待してしまうのも無理ないと言えるかな?

でも、私はこの時まだまだガキんちょやったし、プログレってものがどういうものかは当然、プログレ自体すら知らんかった時なので、いくら売れ線の分かりやすいロックで産業ロックと言われたりしたようが、私自身にはそんなの関係なくすんなり聴けましたよ。
やっぱりガキんちょには小難しいプログレよりも、分かりやすいロックの方が聴きやすいかったんでしょうかねー。

というのも全編でスリムにまとまってるのがポイントの高いところで、全曲シングル・カット出来てしまいそうなぐらいのポップさがあるのが良いんですよね。
それでいてメンバーのテクニックやアレンジなんかは、さすがという卓越したものもあるし、アルバムの後半はちょっとプログレっぽさも残っていて、なかなか飽きの来ない内容になってるのも良い。
まあ、このへんのテクニック面なんかの方は当時には分からんかって、そういったものを意識しながら聴けだしたのは、もっと後になってからの事ですけどね。
あと、ジョン・ウェットンのヴォーカルがどれも良い存在感で、曲ごとに違う色を付けてるのもかなりよろしおますな。
本気の時と気が抜けてる時の落差の激しいジョン・ウェットンですけど、この時は間違いなく本気やった事が伺えます。
もちろんスティーヴ・ハウのギターも、ジェフリ・ダウンズのキーボードも、カール・パーマーのドラムもどれも聴き応えあるので、やっぱ何だかんだ言われても名盤やと思いますよ。

実際、何も分からずただ良いなーって感じで聴いてたガキんちょの私が、すっかりマニアになってしまった今でもたまに引っ張り出して聴いてしまうので、それぐらいこのアルバムが良いってものやと思うね。
25年経っても全然色褪せないです。
やっぱ良いものは、いつまで経っても良いままですね。

それに何と言ってもロジャー・ディーンのジャケットが素晴らしい!
ホンマ全てが最高のアルバムです。

で、全てが良いんですけど、それでも何と言っても「Heat Of The Moment」こそが
このアルバムだけでなく、エイジアの象徴とも言える曲なので、懐かしのその曲をペタッと貼って締めたいと思います。

しかし、ライヴでの「Heat Of The Moment」の大合唱、良かったなー!
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by sy_rock1009 | 2007-03-07 22:23 | 洋楽アルバム・80's
小粋で洗練された珠玉のポップ・アルバム
88年に発表された何だか映画のポスターのようなジャケットが印象的である、フェアーグラウンド・アトラクション唯一のアルバム「THE FIRST OF A MILLION KISSES」
今回はそんな80年代のUKポップ・シーンを語る上でなくてはならない、なかなかにセンス溢れるこのアルバムを紹介です。

●FAIRGROUND ATTRACTION / THE FIRST OF A MILLION KISSES
●フェアーグラウンド・アトラクション / ファースト・キッス


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Tracks
 1.A Smile In A Whisper
 2.Perfect
 3.Moon On The Rain
 4.Find My Love
 5.Fairground Attraction
 6.Wind Knows My Name
 7.Clare
 8.Comedy Waltz
 9.The Moon Is Mine
10.Station Street
                      11.Whispers
                      12.Allelujah
                      13.Falling Backwards
                      14.Mythology


バンド名が”移動式遊園地の出し物”という意味のフェアーグラウンド・アトラクションは、その名前のように、たった1枚のアルバムを残してサッと消えていった…という表現を良くされますが、ホンマその表現がピッタリ合うバンドでした。

メンバーはユーリズミックスなんかのバック・ヴォーカルをやっていたという経歴を持つ、
女性ヴォーカルのエディ・リーダーをフロントに、ほとんどの曲を作ってるギターのマーク・E・ネヴィン、ギタロンというメキシカン・アコースティック・ギターのサイモン・エドワーズ、それにドラムのロイ・ドッズという4人組で構成されてます。
音楽としてはジャズ、カントリー、フォーク、それにちょっとトラッドな雰囲気もあって、小粋なポップってものになっていて、さらに哀愁さもあったりする感じの、とにかくオシャレで洗練されたスタイルが特徴かな。
そのへんのスタイルはバンド結成前にマークがアメリカ中を旅してまわっていて、そこで色んな音楽を吸収していったようだが、なかでもジャズやカントリーなんかが気に入ったらしく、その影響が間違いなく出ているんでしょう。

で、アルバムの方ですけどイギリスで2位、1stシングル「Perfect」は4週連続で1位という、いきなりの大ヒットをぶちかましました。
シンプルやけど特徴的なアコースティック・サウンドと、このバンドの最大の特徴である
小粋な雰囲気がイギリスだけでなく日本でも受け入れられたんですよねー。
それとやっぱりエディ・リーダーのヴォーカルがとにかく素晴らしくて、この点も受け入れられた理由だと思います。
というか、この声があったからこその大ヒットに違いないんですけどね。
それぐらい高音部での伸びのある声や、低音部での響きが耳に心地よかったりします。
やっぱ彼女の声は最高やなー。

ヒットした「Perfect」はとにかく有名ですけど、他にも「A Smile In A Whisper」「Find My Love」「Clare」という計4つのシングルが、それぞれの顔があってどれも良いし、シングル・カットされた以外の曲にも、このバンドのテーマ曲とも言えるような「Fairground Attraction」や、来日公演でのオープニング・ナンバーで人気のある「Allelujah」と、非常にバラエティに富んでおります。
また、ほとんどが3分台というコンパクトな作りも聴きやすくて良いですよ。
短い活動期間で1枚しかオリジナル・アルバムを出してないけども、これは間違いなく名盤であるし、だから今でも根強い人気があるんでしょうねー。
特に日本では今でも好きって人が多いような気がします。
そんな中の一人が私なんですけどね…。

私的にジャズやブルーズならバーで酒でも飲みながらってなるけども、フェアーグラウンド・アトラクションの場合は、良い感じのカフェか何かでコーヒーでも飲みながら聴きたいなーと思わせるような音楽が昔からのお気に入りだったんですよね。
それぐらい小粋な音楽なのであります。
とにかく、これはお薦めのアルバム。
オシャレなポップが好きな人には特にお薦めです。

という事で「Perfect」でもどうぞ。
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by sy_rock1009 | 2006-11-19 22:03 | 洋楽アルバム・80's
神、降臨!
カッコイイものからちょっと変なものまで色々なニックネームというか異名をとるミュージシャンは多いけども、その中でも”神”という、最上級なまでに大げさな呼び方をされるのが、言わずと知れたマイケル・シェンカーというギタリストですね。
ってコトで今回はその”神”こと、マイケル・シェンカーが初のソロ作として80年に発表したアルバム「THE MICHAEL SCHENKER GROUP」を紹介です。

●THE MICHAEL SCHENKER GROUP / THE MICHAEL SCHENKER GROUP
●マイケル・シェンカー・グループ / 神 (帰ってきたフライング・アロウ)


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Tracks
1.Armed And Ready
2.Cry For The Nations
3.Victim Of Illusion
4.Bijou Pleasurette
5.Feels Like A Good Thing
6.Into The Arena
7.Looking Out From Nowhere
8.Tales Of Mystery
9.Lost Horizons



マイケル・シェンカーについての大まかな経歴は以前に書いたので改めてここでは書かないが、アルコールとドラッグ中毒で入院生活をしてたマイケルが、それらを克服してM.S.Gというソロ・プロジェクトのような形で帰ってきたのが、このアルバムなんですよね。
ちなみにコージー・パウエル等を迎えて後に正式なバンドへと発展していくが、細かく言うとこの時点ではまだソロ扱い的な感じだったりする。
まあ、そんな細かい事はどうでも良いんですけどね。

とにかくこのM.S.Gのデビュー盤に参加したメンバーはゲイリー・バーデン(vo)、サイモン・フィリップス(ds)、モ・フォスター(b)、ドン・エイリー(key)等が参加していて、いずれもなかなかのテクニシャン揃いのメンバーとなってます。
おまけにプロデューサーがディープ・パープルのロジャー・グローヴァーという事なんで、このメンツとマイケルがどう上手く絡み合うのかってのを想像するだけでハード・ロック・ファンは思わずニヤッとしてしまうし、実際、聴いてみると想像した通りか、それ以上のカッコ良さがあるアルバムになってたりします。
ですので発売から20年以上経った今でもハード・ロックの名盤とされているし、お手本のようなアルバムになっているんですよね。
やっぱそれぐらいこのアルバムはカッコイイのだ。

内容としては別に目新しいトコはないし、ゲイリー・バーデンのヴォーカルも特別に上手い訳でもなく、UFOのフィル・モグのヴォーカルと比べても独特な特徴がある訳でもないんですが、アルバム全体のノリやバランスがかなり良い具合になってるんですよね。
このへんはロジャー・グローヴァーのセンスが出てるかも知れません。
まず、いきなり「Armed And Ready」「Cry For The Nations」という、代表曲となる2連発だけで唸るものがあるけども、その後も聴きどころが実に多い。
マイケル独特のハードな中にも哀愁味あるトーンのギターがこれでもかってぐらいにあって、曲ごとの緩急が大変よろしおます。
なんていうか良い意味で自由奔放なサウンドなんですよね。
リフからソロまで、なんとなく生き生きしてるような感じで、UFO時代のようなダークさがなく、明るく感じるから自由奔放に思えるのかも知れんが、ギターの一音一音が実に凄く映えるように聴こえる。
インストゥルメンタル・ナンバーの「Into The Arena」でのギターなんか、まさにそんな感じがしますよ。
とにかくカッコイイ。

このアルバムを聴けば何でマイケル・シェンカーが神と呼ばれるのかが分かる、そんなアルバムでございます。
機会があれば是非どうぞ。
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by sy_rock1009 | 2006-11-06 23:11 | 洋楽アルバム・80's
とにかくオレ様は凄いのだー!
どれだけバンド・メンバーとケンカ別れしようとも、どれだけ回りに敵を作ろうとも、そして何よりも「オレ様サイコー!」という気持ちを持ち続け、謙虚という言葉を知ろうともしない、とにかく自分大好きな”インギー”こと、イングヴェイ・マルムスティーンですけど、それでもギタリストとして超一流という事実には変わりありません。
人間的には最低最悪でも…。
という事で、今回はイングヴェイのソロ3作目となる86年の「TRILOGY」です。

●YNGWIE J. MALMSTEEN / TRILOGY
●イングヴェイ・マルムスティーン / トリロジー


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Tracks
1.You Don't Remember, I'll Never Forget
2.Liar
3.Queen in Love
4.Crying
5.Fury
6.Fire
7.Magic Mirror
8.Dark Ages
9.Trilogy Suite Op: 5



イングヴェイの登場以降、それに続けと沢山の速弾きハイテク・ギタリストが出てきた訳ですが、そういったいわゆる”イングヴェイ・クローン”と呼ばれるギタリストの中には、速弾きを筆頭としたテクニックだけならイングヴェイの上を行く者もいるにはいたんですよね。
でも速弾きだけに特化しすぎて、肝心の”曲を作る”というところにまで秀でた才能があるギタリストはイングヴェイ以外ほとんどおらんかった。
このへんがイングヴェイとクローンとの決定的な違いでしょうね。
その点、イングヴェイはちゃんと曲が作れるので、だから今でも生き残ってる要因と思う。
と言っても、インギーもクソみたいな曲多いけどね…。
しょせん、まだ他の連中に比べてマシってレベルです。

で、そんな良いアルバムと冗談半分で作ったようなアルバムの落差が激しいイングヴェイですけど、この「TRILOGY」ってアルバムは間違いなく良い部類に入る。
ってか、イングヴェイの中でも3本の指に入るぐらいの傑作と言っても良いかな。
同時にジャケットのダサさでも3本の指に入るが、メタルにダサい要素はつき物やし、もっと言うたらダサいからこそのメタルとも言えるので、このへんは突っ込んではいけない。

メンバーはイェンス(key)&アンダース(dr)のヨハンソン兄弟に、それまでのヴォーカリストだったジェフ・スコット・ソートを何のためらいもなくクビにして、新たにマーク・ボールズを
2代目ヴォーカルとして加入させ、それに当然インギー様を入れた4人編成になってます。
またイングヴェイは全ての曲でベースも弾いてますよ。
アルバム全体としては意外と聴きやすい曲が多く、結構ハード・ロック寄りのヘヴィ・メタル・サウンドって感じになってます。
もっと簡単に言うとディープ・パープルをちょっとヘヴィにしたサウンドですね。
このあたりはさすがパープルに影響を受けただけあります。
だから意外とメタルだからと言って構えて聴く必要はなく、すんなり聴けますよ。
静と動のメリハリもバッチリやし、インギーの速くてクラシカル、そして叙情性あるギター・フレーズはやっぱり凄いとしか言いようがないし、マーク・ボールズもめちゃめちゃ歌が
上手いしで、とにかく聴き応えはかなり多いアルバムです。
それにすぐクビを切るインギーにしてはまだ付き合いの長い部類に入るイェンスのキーボードが、なかなか効果的に効いてます。
ちょっと1曲目の大げさなまでのキーボードは笑ってしまいそうになるけども…。

アルバム全体として聴くとちょっとパンチが弱い点もあるけど、それでも前半のシングル向きな曲から、アコースティックで叙情的に攻める4曲目「Crying」までのバランスは良いし、代表曲であるラストの「Trilogy Suite Op: 5」の超絶的なまでのギターは、これぞネオ・クラシカルの帝王とも言えるインギーの激しくクラシカルなプレイで特にイチオシの曲です。

やっぱ、メタルの名盤の中の1枚で、お薦め出来るアルバムと言っても良いでしょう。
機会があればどうぞ。

しかし、マーク・ボールズの声ってちょっとした拍子にグラハム・ボネットと似たような声に聴こえるけど、だからすぐにクビになったんかなぁ?
結構、お世話になったクセに…。
まあ、イングヴェイ・ヨハン・マルムスティーンという男は、そんなん関係なしにクビを切る時は切るけど。
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by sy_rock1009 | 2006-07-10 22:47 | 洋楽アルバム・80's
石と薔薇の伝説
80年代のイギリスってのは基本的にロックというジャンルは弱まってて、特にギター・ロックに関してはかなり低迷してたと思うんですけど、そんな低迷してたブリティッシュ・ロックを救ったと言われるのが、このザ・ストーン・ローゼズというバンドであります。
って事で今回は80年代最後の大物、ザ・ストーン・ローゼズが89年に発表したデビュー・アルバム「THE STONE ROSES」なのだ。

●THE STONE ROSES / THE STONE ROSES
●ザ・ストーン・ローゼズ / ザ・ストーン・ローゼズ


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Tracks
 1.I Wanna Be Adored
 2.She Bangs The Drums
 3.Elephant Stone
 4.Waterfall
 5.Don't Stop
 6.Bye Bye Bad Man
 7.Elizabeth My Dear
 8.(Song for My) Sugar Spun Sister
 9.Made Of Stone
10.Shoot You Down
                      11.This Is The One
                      12.I Am The Resurrection
                      13.Fools Gold


このアルバムがなければ90年代のイギリスは違った方向に行ってたかも知れないし、マンチェスター出身のストーン・ローゼズというバンドの登場がなければ”マンチェスター・ムーヴメント”も起こらず、さらにはオアシスVSブラーのブリット・ポップ戦争などもなかったかも知れない。
つまり90年代のブリティッシュ・ロックのすべての基礎を作ったのはローゼズであり、そのきっかけが奇跡の名盤と言われる「THE STONE ROSES」なのだ。

と、今ではちょっとした神格化をされてるぐらいに凄まじい評価をされてるローゼズとこのアルバムなんですが、私的には最初聴いた時、あんまりピンと来ませんでしたね。
何がそこまで良いのか分かりませんでした。
ギターとドラムの音は最初から良いなーと思ったけど、曲全体としては何か掴みどころがないし、それ以上にイアン・ブラウンのヴォーカルがどうもしっくり来んかった。
声量はないし、音域も狭いしで、はっきり言ってこの下手なヴォーカルのせいで、ローゼズというバンドはずっと私の中では微妙な存在でした。
「過大評価されすぎやろ!」って感じに…。

でも、5年後の94年に出たセカンド・アルバム「SECOND COMING」を聴いた時、ちょっと考えが変わる。
このアルバムはギターのジョン・スクワイア主導で作られたアルバムなんですけど、全体的にツェッペリンを思わせるサウンドで、特に「Love Spreads」という曲でのギターがあまりにもカッコ良すぎて、ちょっとノック・アウトされてしまった。
一度そう思ってしまうと、イアン・ブラウンのヴォーカルも「これはこれでアリやな!」と考え出し、もっと言うなら「このサウンドにはこの声しかない!」とまで思えるようになってきてしまった。
えらい変わりようである。

で、考えが変わったところでもう一度あのファーストを聴き直したんですけど、やっぱり最初に聴いた時の印象とはえらく違った感じに聴こえました。
というか、こんな名盤を何であの時に気が付かんかったのかと思う。
なんてアホな89年当時の私…。
奇跡の名盤というのちょっと言いすぎな評価と思うけど、聴き直してみて、それぐらいの評価をされるのが何となく分かる気がしたね。
アルバム全体を覆う独特の浮遊感、それでいてタテノリの出来るビートやサイケデリックっぽい曲、文学的や社会批判を交えた内容の詩、全部が良いバランスでまとまっている。
1曲目「I Wanna Be Adored」の長いイントロでの何か押し寄せてくる感が、アルバムの凄さを語ってるように思う。
ギターとドラムの絡みがカッコよすぎる。
この曲だけでも聴く価値はあるね。
いや、他にも良い曲あるけど。

とにかくイアン・ブラウン(vo)、ジョン・スクワイア(g)、マニ(b)、レニ(dr)という4人のメンバーからなるローゼズが、この一枚だけで伝説を作ったんだから、好きになるか嫌いになるかは別として、やっぱり一度は聴いておいた方が良いアルバムではありますね。
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by sy_rock1009 | 2006-03-28 20:27 | 洋楽アルバム・80's
様式評議会
今年のブリット・アワードで功労賞を受賞し、今やイギリスの兄貴的存在でもある、
”モッドファーザー”ポール・ウェラー。
そんなポール・ウェラーが人気絶頂のまま解散させたザ・ジャムの後に結成したのが
スタイル・カウンシルというユニットなんですが、今日はそのスタイル・カウンシルが2枚目のアルバムとして85年に発表した「OUR FAVOURITE SHOP」を取り上げます。

●THE STYLE COUNCIL / OUR FAVOURITE SHOP
●ザ・スタイル・カウンシル / アワ・フェイヴァリット・ショップ


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Tracks
 1.Homebreakers
 2.All Gone Away
 3.Come to Milton Keynes
 4.Internationalists
 5.Stones Throw Away
 6.Stand Up Comics Instructions
 7.Boy Who Cried Wolf
 8.Man of Great Promise
 9.Down in the Seine
10.Lodgers (Or She Was Only a
                        Shopkeeper's Daughter)
                      11.Luck
                      12.With Everything to Lose
                      13.Our Favourite Shop
                      14.Walls Come Tumbling Down!
                      15.Shout to the Top! [USA Remix]


ポール・ウェラーはザ・フーの「My Generation」を聴き、強烈なショックを受けたようなんですけど、ザ・ジャムってバンドはそのザ・フーのモッズ精神を引き継ぎつつも、ソウルなどの要素も取り入れ、鋭いビートを主体とした最高にカッコ良いバンドだったんだな。
まさに80年前後のイギリス・NO.1バンドだったわけであります。
それほどの人気を誇ったジャムを「音楽的にも商業的にもグループとしてやれる事はすべて成し遂げた」と言って自ら解散させたのが82年。
なんだか分からんが、この潔さが実にポール・ウェラーらしい感じでありますな。

そして、83年にマートン・ パーカス、デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ、ビューローという3つのバンドを経験してきたキーボーディスト、ミック・タルボットと共に、新しく結成したのがこのスタイル・カウンシルっていうユニットなのですが、ジャムが勢いのあるビート系の
ロックだったのに対し、スタイル・カウンシルはモダンなポップ・サウンドを押し出したものになっている。
ここらへんの違いが一部のジャム・ファンの間では賛否両論だったようだが、まあ、私的にはどっちも好きって事になってしまいます。
だってポール・ウェラーがやる音楽やねんで。
全部良いに決まってるがな!(というのはちょっと言い過ぎかも?)

とにかく大きく音楽性が変わったんだが、実はジャムの後期あたりから音楽的変化が現れてて、ファンクやラテンのリズムを入れたり、ホーン・セクション等のゲスト・ミュージシャンを使ったりで、そのあたりからポール・ウェラーの中では変化を求めてたんでしょう。
実際、スタイル・カウンシルを始めた当初に”現代のモータウン・サウンドを作りたい”と言ってたので、この時からそんな音楽をやりたかった結果の変化だと思う。
そしてポール・ウェラーの言う通りスタイル・カウンシルはR&Bやソウル、ファンクをベースにしたモダン・ポップになっているんですけど、これがまた良いんですよ。
一言でいうと”オシャレ”なサウンドなのだ。
スタイル・カウンシルはこのオシャレさがポイントだと思う。
ポール・ウェラーとミック・タルボットの2人以外のパートはその都度バック・ミュージシャンを加えるという形なので、曲によってはスタイルが変わるけども(だからスタイル・カウンシルって名前なんですけどね。直訳すると様式評議会。)、良質でオシャレなポップって事だけは常に統一されている。
そんなポップさが一番現れてるのが、この「OUR FAVOURITE SHOP」です。
全英チャートの1位を獲得したスタイル・カウンシルの代表作とも言える本作は、この時のポール・ウェラーの勢いで溢れかえっている感じ。
「Walls Come Tumbling Down!」「Shout to the Top!」なんかは、まさに
それってぐらいの勢いのある良い曲です。
そのくせ、歌詞は結構メッセージ性の強いものになってるので、ただポップなだけで終わってないのもポール・ウェラーらしいところだ。
やっぱりポール・ウェラーは最高です。

スタイル・カウンシルは90年に解散して、ポール・ウェラーはその後ソロとして活動するが、そこでも色んな音楽を表現している。
だからジャム、スタイル・カウンシル、ソロと3つの時代でそれぞれ違う音楽をしていると思われそうですけど、私から見ればポール・ウェラーはいつも同じように思う。
確かに音楽的には変化してるけど、ポール・ウェラーの根本は今も昔もずっと同じです。
ここらへんは何となくニール・ヤングと共通する気がしますね。
ニール・ヤングは「変わり続けるからこそ、変わらずに生きてきた」という言葉を言ってるが、まさにポール・ウェラーもそんな感じがします。
もう、どっちも最高。
最高じゃないのはスタイル・カウンシルの事を略して”スタカン”っていう呼び方をすることぐらいかな。
私はこの言い方が大嫌いだ。

しかし、今回ポール・ウェラーの事ばっかりでアルバムについては全然何も言ってない気がするけど、まあええか…。
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by sy_rock1009 | 2006-03-01 23:15 | 洋楽アルバム・80's
見た目と中身は違うカルチャー・クラブ!
いわゆる”第二次ブリティッシュ・インヴェイジョン”と言われ、デュラン・デュラン等と共に80年代のイギリスを代表するグループ、カルチャー・クラブ。
今回はそんな彼らが83年に発表した2枚目のアルバム「COLOUR BY NUMBERS」をサラッと紹介です。
デュラン・デュランの時も書いたが、こういうのも私は聴くのです。

CULTURE CLUB / COLOUR BY NUMBERS
●カルチャー・クラブ / カラー・バイ・ナンバーズ


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Tracks
1.Karma Chameleon
2.It's A Miracle
3.Black Money
4.Changing Every Day
5.That's the Way (I'm Only Trying to Help you)
6.Time (Clock Of The Heart)
7.Church of the Poison Mind
8.Miss Me Blind
9.Mister Man
10.Stormkeeper
11.Victims


やっぱりカルチャー・クラブというと、まず最初に思いつくのが、音楽的な事よりもボーイ・
ジョージの見た目になるでしょうね。
なんだか分からんぐらいの奇抜なファッションに、どういう訳かの女装メイクと、ツッコミどころ満載な外見をしたボーイ・ジョージは、1961年6月14日に南ロンドンで生まれる。
マーク・ボランやデヴィッド・ボウイに惹かれる少年時代を過ごし、学校を辞めた後は、ブティックの店員、雑誌・CFのモデルとして働き、クラブでDJをする頃にはロンドンのナイト・クラブで随分と知られる存在になっていたようだ。
80年にバウ・ワウ・ワウというバンドに一時加入するが、速攻で脱退。
だが、この時のボーイを音楽紙で知ったマイケル・クレイグ、続いてジョン・モス、そして
ロイ・ヘイがボーイ・ジョージのもとに集まった。
この4人がカルチャー・クラブとして活動する事になる。

という事で、もう一度メンバーのおさらいです。
b0054129_0101532.jpg
写真左から…

ロイ・ヘイ(g,key)
ボーイ・ジョージ(vo,女装
ジョン・モス(ds,per)
マイケル・クレイグ(b)

という4人からなるカルチャー・クラブ。

81年秋からライヴ活動をし、82年にヴァージン・レコードと契約、5月に「White Boy」でついにデビューする。
そして、ボーイの中世的なルックスが大きな話題になり、ポップなメロディをレゲエのリズムに乗せた、彼らの3枚目のシングルである「Do You Really Want To Hurt Me」(邦題「君は完璧さ」)がイギリスで1位を獲得し、9月に発表したファースト・アルバムも5位まで上昇するほどのヒットを記録した。
この時点でカルチャー・クラブはイギリス中の人気者になったのだ。

そんなこんなで本題である「COLOUR BY NUMBERS」の話になるわけだが、このアルバムはイギリスの人気者が世界の人気者になったきっかけとも言えるものなのだ。
ラテン・ファンクに、レゲエやカリプソと世界各地の音楽を貪欲に吸収しつつ、ポップなライティングをもってまとめ上げたセンスがこのアルバムの最大の魅力でしょうね。
ヒット・シングルも多数あって2、6、7、8、11曲目といずれもイギリスではトップ5入りし、最大のヒット・シングルである1曲目「Karma Chameleon」は英・米で1位となった。
結果、アルバム・チャートの方でもイギリスで1位、アメリカでも2位となり、世界中で
1000万枚ものセールスを記録したのだ。
当然、そこまで売れたのには曲そのものも良いが、ボーイ・ジョージのビジュアルも大きな要因になったのは言うまでもない。
ちょうど当時はMTV全盛の時代。
ビデオから見て取れる奇抜な姿と、それに反して曲はキャッチーで極上なポップというアンバランスさが、MTVを通して受け入れられたんでしょう。
実際、私も「Do You Really Want To Hurt Me」のビデオを見て初めてカルチャー・クラブを知ったが、最初に見た時は「うわっ!なんじゃコイツ!」と思ったもんです。
特にプールの中からボーイ・ジョージがニョロッと上がってくるシーンは印象に残ってる。
他にも「Karma Chameleon」の最後の方の船の上での阿波踊りのような手の動きで踊っているボーイ、「Time (Clock Of The Heart)」での自分の名前”BOY”と書かれたマグカップを手にニヤッとするシーンが今でも印象に残ってます。
「Miss Me Blind」なんか全編通して訳分からんビデオでしたね。
でも、繰り返すようですが、曲は良いんです。
さらにボーイ・ジョージは見た目とは裏腹に結構ソウルフルなヴォーカルで歌が上手い。
そのあたりもカルチャー・クラブの魅力なんだと思う。

だが、ボーイ・ジョージの麻薬不法所持による逮捕や、メンバーでもあり恋人でもあるジョン・モスとの関係が冷えたりと、86年には活動を停止し、結局は解散してしまう。
最近になって再結成し来日公演も行ったが、ボーイ・ジョージの太りっぷりのせいか、やはり当時のような輝きはなかった。
それでもこのアルバムは今聴いても十分に聴き応えがあるので、結構お勧めである。
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by sy_rock1009 | 2005-06-01 00:24 | 洋楽アルバム・80's
紆余曲折のデフ・レパード
今年の6月からブライアン・アダムスとのダブル・ヘッドライン・ツアーを開始する
”レップス”ことデフ・レパード。
今回はそのデフ・レパード最大のヒットアルバム「HYSTERIA」の紹介です。

●DEF LEPPARD / HYSTERIA
●デフ・レパード / ヒステリア


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Tracks
1.Women
2.Rocket
3.Animal
4.Love Bites
5.Pour Some Sugar On Me
6.Armageddon It
7.Gods Of War
8.Dont Shoot Shotgun
9.Run Riot
10.Hysteria
11.Excitable
12.Love And Affection



実は私がデフ・レパードを本格的に好きになったのは1~2年ほど前と、おそろしく最近になってからの事である。
それまではあんまり好きな方じゃなかった。
というのも彼らがデビューした80年当時のイギリスは”NWOBHM”(ニュー・ウェイブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル)なる一つのムーヴメントがあり、色々なメタル・バンドが台頭していた。
そんなせいかデフ・レパードも”NWOBHM”の流れをくむバンドのように紹介されてはいたが、実際のサウンドは全然メタル寄りではない。
私はもともとメタルは聴かない人間ではあるが、まずその点が最初に気に食わなかった。
メタルと言いながら実際のサウンドはさわやかハード・ロックやん!という思いがあり、どうもアカンかったね。
その思いは彼らの出世作である3作目「PYROMANIA」(邦題「炎のターゲット」)がアメリカを中心に世界中で大ヒットした時には更に強くなっていたよ。
この時、私は小学生だったが「なんやねん!売れ線の音楽ばっかり作りやがって!」と、小学生のクセに生意気な考えをしてた。
そう言いながら「Photograph」はちょっとカッコイイなー、という思いもあったが…。
とにかく「PYROMANIA」で初めて本格的にデフ・レパードのサウンドを聴いたが、あまりピンと来なかった。
正確に言うとサウンドそのものは悪くないけど”認めたくない”という思いが一番かな。
当然、「メタルのクセに…」という流れから来るものだった。

と、そんな思いを持っていたデフ・レパードが「PYROMANIA」に続いて発表したのが今回紹介する、87年発表の「HYSTERIA」だ。
結果からいうと強烈に売れたこのアルバムは間違いなくデフ・レパードの最高傑作であり、80年代を代表する1枚でもある。
発売当初は思うようなチャート・アクションとはならなかったが、地道なライヴ活動などが実を結び、発売から約1年後にチャートのトップに輝いた。
この遅ればせながらのチャート・トップには当時、中学3年の私もかなり驚いた記憶がある。
さらに4曲目の「Love Bites」にいたっては、シングル・チャートでも1位に輝くなど、またまた私を驚かせた。
ほかにも「Pour Some Suger On Me」(2位)「Armageddon It」(3位)「Hysteria」(10位)のヒットシングルを含め、合計7曲もシングルカットされた。
しかも、最後のシングルが発売された時はアルバムの発表から約3年後で、もうこの時には私は高校生になっていたのだ。
「まだ”HYSTERIA”で引っ張るんかよ!」と思ったもんです。
私的には名実共にナンバー・ワン・バンドとなり、サウンドも良いとは思いながらも、
まだ”認めたくない”というのがあったのだ。
と言いながら「PYROMANIA」の時に「Photograph」はカッコイイ!っていう思いが、このアルバムでも同様にあったけどね。
「Love Bites」は掛け値なしで良い曲やなー、とは当時から思っていた。

ここで話は一番最初に書いた、私がデフ・レパードを好きになった1~2年前の話に戻る。
何気にスカパーを見てると、その”認めたくない”という思いがあった時期の私でさえ名曲だと思っていた「Love Bites」のビデオがたまたま流れた。
「うおっ、懐かしいなー!」と思いながら見てたが、次第に「めちゃ渋いがな!」と、当時以上に強く感じてしまう。
良い曲やとはあの時から思ってたけど、こんなに良かったっけ?と。
あ~、何かアルバムごと聴いてみたいかも?
音楽に対してそういう衝動が出ると、もう私は止まらない。
いや、止まるつもりもない!
たまたま友達がアルバムを持っていたので、すぐに借りた。
そして聴いた。

「Love Bites」以外も良いがな!!
確かに売れ線の曲ばっかりかも知らんけど、それの何がアカンって言うのさ。
こんだけ練り上げたサウンドは、そうそう他にあるもんじゃないよ。
デフ・レパードのメンバーはかなりの完璧主義者なのか、相当サウンドを作りこむ。
何重にもギターなどの音をオーバー・ダビングし音に厚みを持たせ、コーラスもアメリカのバンドには見られないぐらい、必要以上に重ねる。
ここらはイギリスのバンドらしいところでもあるが、その仰々しいまでのサウンドの練り上げが良いんじゃなかろうか。
そのサウンドにヴォーカル、ジョー・エリオットの声が上手く乗っていて、すべてが一体となった見事なサウンドだと言える。

しかし、急にベタ褒めだな…。
で、借りたCDはすぐに返して、自分で買った。
コピーをしようと思ったが、これは原盤で持っておかないとと思い速攻で買いに行った。
あの当時の私とは180度違う態度だが、まあこんなんもアリでしょう。

ドラムス、リックの交通事故による左腕の切断、ギタリストのスティーヴがドラッグの原因による死亡と、大きな挫折を乗り越えてトップに輝いたバンド、デフ・レパード。
今年中にはカバー・アルバムも発売予定(デフ・レパードの事やから恐らく延びると思う)の彼らだが、このアルバムは非常に聴きやすいと思うので、洋楽初心者にお薦めです。
あと私と同じように長年、敬遠気味やった人も一度聴いてみてはどうでしょう?
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by sy_rock1009 | 2005-04-30 03:06 | 洋楽アルバム・80's