カテゴリ:洋楽アルバム・70's( 93 )
アート・ロックからハード・ロックへ
実際のところ、今のディープ・パープルが何期にあたるのか良く分かってないんですが、個人的には黄金メンバーによる最初の再結成あたりまでは、熱心に聴いておりました。
そのなかでも一番熱心に聴いた時期のパープルというとやっぱり第2期になるかな。
という事で、今回は通算で5枚目のアルバムでもあり、第2期パープルの事実上のデビュー作とも言える70年のアルバム「DEEP PURPLE IN ROCK」です。
ああ、でも1期も結構聴いたなー。

●DEEP PURPLE / DEEP PURPLE IN ROCK
●ディープ・パープル / イン・ロック


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Tracks
1.Speed King
2.Bloodsucker
3.Child In Time
4.Flight Of the Rat
5.Into The Fire
6.Living Wreck
7.Hard Lovin' Man





第2期というよりもディープ・パープルそのものを代表するアルバムとなるとやっぱり「Highway Star」「Smoke On The Water」というロック・ファンなら誰もが知ってる名曲が入った72年の「MACHINE HEAD」なんでしょうね。
個人的には「Space Truckin'」も大好きです。

じゃあ、何で「MACHINE HEAD」じゃなくて「DEEP PURPLE IN ROCK」の方を書こうと思ったかというと、それはアルバム全体に漂うスリリングさに尽きますね。
それも背筋がゾクッと来るようなスリリングさが「DEEP PURPLE IN ROCK」にはあるので、こっちの方を書いてみようと思いました。
もちろん「MACHINE HEAD」もスリリングでカッコイイけど、もうその時期にはメンバー間でギスギスした空気があったし、リッチーにいたっては次のバンドの構想を頭の中で練ってたりしてるので、「DEEP PURPLE IN ROCK」にあったようなメンバーが一体となりつつも火花散るような演奏のバトルというものが、「DEEP PURPLE IN ROCK」に比べるとちょっと弱く感じるかなーと思ったり思わなかったり…。

まあ、とにかく私的に一番良く聴いたパープルは2期であり、さらに一番良く聴いたのが今回のこのアルバムだったりします。
理由はさっきも言ったけども、ハラハラするようなスリリング感がたまらんぐらいカッコイイ。
特に演奏面で言うとジョン・ロードのオルガンとリッチー・ブラックモアのギターのバトルが、なかなかに凄い事になってる思う。
何て言うか、かなりイケイケな事になってますね。
さらにヴォーカル、イアン・ギランのアホみたいなシャウトが乗っかって、さらに凄い事になってます。

もともとヴァニラ・ファッジに影響を受けてアート・ロックという形でスタートした1期パープルですけど、もうここではその姿は完全にありません。
まさにあるのはハード・ロックです。
それもパープル独自のハード・ロック様式というものが、ここからスタートしています。

アルバムには入ってないけどシングルで出た「Black Night」で、すでに新しくなったパープル的ハード・ロック様式というものが分かるけど、さらにアルバム全体を聴くとそのあたりがもっと分かる気がしますね。
「Speed King」でのラウドなギターに、まだ少しアート・ロックしてるキーボードの対比がカッコイイし、イアン・ギランの超人的シャウト。
もう、曲のタイトルのように凄い疾走感になってて、めちゃめちゃカッコイイ。
次の「Bloodsucker」もやっぱりシャウトが入ってて、サウンドもヘヴィーなリフでグイグイ攻める感じで結構好きな曲です。

でも、このアルバム一番のハイライトは3曲目の「Child In Time」ですね。
途中で展開するギターとキーボードの3連ユニゾンでのバトルも凄いけど、1、2曲目であったときよりもさらに強烈なシャウトがこの曲やアルバムだけでなく、2期パープルとしての最大の魅力かと思われます。
実際、イアン・ギラン以降のヴォーカリストでは歌いこなせなかった曲でもあるので、やっぱりこの曲が2期パープルを象徴するものと言えるかも知れないですね。
まあ、その唯一歌いこなせたイアン・ギランも今ではすっかり無理になってますけど…。

まあ、とにかくこれらの3曲で見られるイケイケに突っ走った、それでいて異様に緊張感のあるアルバムになってますよ、これは。
何回聴いてもその緊張感を味わえるので、やっぱこのアルバムは名盤だと思いますね。

という事で、もしまだ聴いた事がないという人は、アルバムのハイライトでもあります「Child In Time」でも聴いて、ちょっとでも緊張感のある雰囲気をを味わってもらえたら私的には嬉しい。
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by sy_rock1009 | 2007-10-03 23:16 | 洋楽アルバム・70's
初期のエアロスミスの象徴
昨日、久しぶりにエアロスミスを聴いておりました。
特に70年代のエアロを中心に聴いてたので、その時代のものでも書こうと思います。
という事で今回はエアロスミスの4枚目のアルバム「ROCKS」(76年)という、王道中の王道アルバムを紹介です。

●AEROSMITH / ROCKS
●エアロスミス / ロックス


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Tracks
1.Back In The Saddle
2.Last Child
3.Rats In The Cellar
4.Combination
5.Sick As A Dog
6.Nobody's Fault
7.Get The Lead Out
8.Lick And A Promise
9.Home Tonight



ギターのジョー・ペリーとベースのトム・ハミルトンはエアロを結成する前から同じバンドで活動していて、そこに別のバンドで当時はヴォーカル兼ドラマーとして活動していたスティーヴン・タイラーに2人が目を付けバンドに迎え入れたのが、結果的にはそれがエアロスミスに発展していったというデビューまでの流れであります。
ごっつい簡単な説明ではありますけどね。

んで、サウンド的な方はジョーとトムのバンド時代からエアロとしてデビューしてしばらくは、相当なブリティッシュ・ロックの影響が見える感じの音使いになってるかな。
まあジョー・ペリーはヤードバーズが大好きで特にジェフ・ベック好きとして有名やし、トム・ハミルトンは異常なまでのストーンズ狂なので、そうなるのは当たり前なのかもね。
だからと言って完全なマネだけで終わってないというものを見せてたので、まだまだ青い初期のエアロの中でも、そういう所はちょっと将来に向けての光る部分なのかなーと思ったりもします。
個人的には初期のその青さも好きでしたけどね。

ですが、そんなブリティッシュ・ロックの影響から初めて一歩、それも大きな一歩を踏み出して、新しいエアロスミス独自ののサウンドを見せる時がついにやってきました。
それがもちろん今回の本題アルバム「ROCKS」なのですよ。

とりあえず過去3枚にはないヘヴィーなサウンドがアルバム全体に流れてます。
しかもラフでちょっとラウドな感じでのヘヴィーなサウンドだったりします。
そこらへんはあえて倉庫を使ってレコーディングをしたからなのかも知れないですけど、ガレージ的でスタジオ・ライヴ盤のようなノリがこのアルバムにはあったりしますね。
そういう意味では今のラウド系ロックの原点のようなアルバムでもありますよ。

まず、いきなりオープニングの「Back In The Saddle」がカッコイイ。
重苦しいイントロからスティーヴン・タイラーのシャウト。
それに6弦ベースが効果的に響いてたり、ズンズンと迫ってくるようなドラムなんかも良いし、これぞエアロという完璧なオープニング・ナンバーになってますね。
続く「Last Child」も大きなヒネリはないけども、かなり聴き応えのあるカッコイイ曲で、非常に良い。
3曲目はテンポが上がってヘヴィーさはないけども、その分ノリが良いものになってます。
こういう常にどんよりしてるわけじゃなく、ちょっとノリの良い軽快なロックを挟んでみるあたりが、なんとなくライヴっぽい雰囲気がして個人的には良い感じ。

そんな感じに全体的にヘヴィーなんですけけど、ヘヴィーさばっかりが目立つってものになってないバランスがこのアルバムにはあるような気がします。

「PERMANENT VACATION」以降のエアロしか知らんという人で、70年代のも聴いてみようかなと思う人はとりあえずこのアルバムなんかお薦めでありますよ。

ちなみに私がこのアルバムで一番好きな曲は「Nobody's Fault」です。
スティーヴン・タイラーのヴォーカルが凄くカッコイイ。
もちろん曲もカッコイイし、言う事ない。
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by sy_rock1009 | 2007-09-10 23:34 | 洋楽アルバム・70's
泣けるほどにカッコイイ!
前回は暑さを忘れるような…という風な事でシャーデーを取り上げたけども、今回はあえて暑い時だからこそ、熱い人の熱い音楽を紹介したいと思います。
という事で、アイルランドの熱血ギタリスト、ロリー・ギャラガーが74年に発表したソロ6作目で、ロリーの最高傑作とも言われるライヴ盤「IRISH TOUR」ですよ。

●RORY GALLAGHER / IRISH TOUR
●ロリー・ギャラガー / ライヴ・イン・アイルランド


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Tracks
 1.Cradle Rock
 2.I Wonder Who
 3.Tattoo'd Lady
 4.Too Much Alcohol
 5.As the Crow Flies
 6.A Million Miles Away
 7.Walk On Hot Coals
 8.Who's That Coming?
 9.Back On My Stompin' Ground (After Hours)
10.Maritime


ロリー・ギャラガーのスタジオ盤の傑作と言えば多分、73年に発表された「TATTOO」になるかなーと思うんでけど、全てのアルバムの中での最高傑作となればやっぱりこの「IRISH TOUR」というライヴ盤になるかと思うんですよね。
ってか、これ以外に考えられない。

魂にまで響いてくるような熱血サウンド。
心を揺さぶるようなブルーズにかける情熱。
それにロリー・ギャラガーという人そのもののカッコよさ。

私的にはロック史上NO.1とまでは断言しないまでも、間違いなくロック史上最高峰に位置するぐらいのライヴ盤だと思っております。
とにかく泣きそうになるぐらいカッコイイんですよ。

それほどまでに最高のライヴ盤になったのには当時のアイルランドの事情があったのかも知れませんけど、この時期のアイルランドは紛争があったようで、そんなイヤな事を自分の演奏でちょっとでも忘れさせる事が出来ればという、ロリーの想いが反映されてるからなのかも知れません。
だから熱血で有名なロリーですが、いつも以上の熱血さがひしひしと伝わってくるものになってますよ。

とにかく1曲目から凄まじい演奏です。
イントロ部分でのギターや、ロリーのヴォーカルも良いけども、なにより途中で聴かせるスライドがめちゃくちゃカッコイイ。
この曲は「TATTOO」に収録されてる御馴染みの曲でもあるけど、ライヴ特有のいつもより高いテンションがオープニングから味わえますよ。
「TATTOO」に収録されてるもので他には3、6,8曲もそれに当たるけども、やっぱりこれらもスタジオ盤よりも高いテンションでカッコイイんですよね。
特に「Tattoo'd Lady」での熱いヴォーカルなんか、目を閉じたらチェックのシャツに塗装の剥げたボロボロのストラトキャスターを持ったロリーが、汗を飛び散らせて歌ってる様が浮かんでくるようですよ。
やっぱりこの熱さがロリーの魅力です。

「A Million Miles Away」もロリーの名曲として知られてるので当然のように良いし、「Walk On Hot Coals」の11分にも及ぶ激しい演奏も良いし、アルバムの最初から最後まで素晴らしい演奏で埋め尽くされてます。
2曲目にさりげなくマディー・ウォーターズのカバーがあるあたりもポイント高いですね。
ホント、この人はブルーズが好きなんやなー。

とにかくロリー・ギャラガーの熱いブルーズを堪能するならこのアルバムしかないでしょう。
もう、カッコイイという言葉しか出てきませんよ。

やっぱロリー・ギャラガー最高です!
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by sy_rock1009 | 2007-09-05 21:40 | 洋楽アルバム・70's
マルチ・インストゥルメンタリスト、マイク・オールドフィールド
ヴァージン・レコードの記念すべき第一弾として発売された事で有名な今回のアルバムですけど、もっと有名なのが曲のイントロ部分が映画「エクソシスト」のテーマ曲として使われたって事でしょうかね。
という事で今回はマイク・オールドフィールドが73年に発表したデビュー・アルバムの「TUBULAR BELLS」でございまする。

●MIKE OLDFIELD / TUBULAR BELLS
●マイク・オールドフィールド / チューブラー・ベルズ


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Tracks
1.Tubular Bells, Part 1
2.Tubular Bells, Part 2










最初に書いたヴァージン・レコード第一弾っていうのと、映画「エクソシスト」云々というもの以外にこのアルバムでもう一つ有名な事が、マイク・オールドフィールドの強烈なこだわり三昧ってものがありますね。

そう、このアルバムはロック・ファンなら御存知のマイク・オールドフィールドが一人スタジオにこもって28種類の楽器を自ら演奏して、2000回以上のオーバーダビングを繰り返して完成させたという、気の遠くなるような作業の末に出来上がった代物なんです。
最後に管楽器、パーカッション・サウンド、それとコーラスを加えて9ヶ月もかけて完成したんですが、ボストンのトム・シュルツも真っ青なこだわりっぷり。
しかもアルバムが出た時は20歳になってまだ間もないので、レコーディング時は19歳って事になると思うんやけど、10代でここまでのこだわりを持ってる人は少ない気がするね。

まあ、デビュー自体はもっと早くからお姉ちゃんのサリー・オールドフィールドとサリアンジーというフォーク・デュオを結成してデビューしてたし、その後もケヴィン・エアーズのバックに参加して天才プレイヤーなんて評価もあったようなので、若くして実力も経験もあったから出来たこだわりとも言えるけど、それでもなかなか凄いこだわりというか、凄い完璧主義者っぷりである。

とにかく究極のオナニー・アルバムとも言えるのがこの「TUBULAR BELLS」なのだ。

だからアルバムの中身の方も凄い事になってて、パート1とパート2からなる48分の大作になってます。
もちろんレコードやったんでA面、B面と2つに分かれてるだけで、実際には全1曲という内容のアルバムになっておりますよ。
もう、これだけで「そんな長い曲聴けるかよ!」という感じに、だからプレグレは…っていう風に思われそうだったりしますが、実はかなり聴きやすいのがこのアルバムの大きなポイントなのであります。
確かに長いのは長いけど、プログレ特有のテクニカルで転調しまくる複雑な展開というものはなくて、良く言われてるのが牧歌的で単純なメロディの中にも奥深さがあるってものになってます。
音の広がりも十二分に堪能できるサウンドなんで、意外と曲の長さは気にならずに一気に聴けると思うんですよね。
しかも「エクソシスト」のホラーなイメージとは真逆で、ちょっと癒されるような雰囲気のサウンドで、何度も聴けたりしますよ。

という事で「エクソシスト」とかのイメージは聴く時には取っ払って、頭を空っぽにして聴いてみて欲しいですね。
映画の方は「TUBULAR BELLS」で効果が増したかも知れんけど、肝心のこっちのアルバムの方は「エクソシスト」に使われてしまったが為に(しかもホンの一部が)、間違ったイメージに捉えられるのが個人的にイヤ。

もう、普通に何も考えずに聴き入って欲しいです。
それぐらい素晴らしいアルバムなのでね。

で、この「TUBULAR BELLS」の流れはしばらく続いて、3枚目の「OMMADAWN」で頂点に達します。
なので「TUBULAR BELLS」を気に入ったら、是非とも「OMMADAWN」も一緒に聴いて欲しいもんでありますね。

とにかく最高の叙情的インストゥルメンタル・アルバムですよ、これは!
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by sy_rock1009 | 2007-08-18 23:15 | 洋楽アルバム・70's
ハード&サイケ、ピンク・フェアリーズ
ガンズ・アンド・ローゼズ、ボン・ジョヴィと珍しくアメリカのバンドが2回続いたので、ここらでいつも通りイギリスに戻ります。
しかもメジャーどころが続いてもいたので、ちょいマニアック気味に戻ります。
という事で、今回はピンク・フェアリーズというバンドが71年に発表したデビュー・アルバムの「NEVER NEVER LAND」を。

●PINK FAIRIES / NEVER NEVER LAND
●ピンク・フェアリーズ / ネヴァー・ネヴァー・ランド


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Tracks
 1.Do It
 2.Heavenly Man
 3.Say You Love Me
 4.War Girl
 5.Never Never Land
 6.Track One, Side Two
 7.Thor
 8.Teenage Rebel
 9.Uncle Harry's Last Freak-Out
10.The Dream Is Just Beginning


ピンク・フェアリーズというバンドはミック・ファーレン率いるデヴィアンツの残党とトゥインクが合体して出来たバンドです。
でもこんな説明だけじゃ良く分からんと思うので、もうちょっとだけ詳しく説明しましょかね。

まずミック・ファーレンはブリティッシュ・サイケ・ロックのボス的存在で、ピンク・フェアリーズだけでなく、75年に結成されたスラッシュ・メタルの元祖とも言えるモーターヘッドの結成にも関わったという人であります。
そう言えば今年のサマーソニックにモーターヘッド出ますね。

もう一方のトゥインクですけど、これはバンド名でなく本名ジョン・アルダーという人物で、フェアリーズ、トゥモロウ、プリティ・シングス、さらにソロを経てこのピンク・フェアリーズを結成した人です。
トゥモロウはイエスのスティーヴ・ハウがいた事でも有名だし、プリティ・シングスではアルバム1枚しか参加してないけども、その1枚がピート・タウンゼントも影響を受けた元祖ロック・オペラとも言えるアルバム、「S.F. SORROW」の時で、トゥインクの事をサイケの申し子なんていう呼び方をしたりもします。
ちなみにドラマーですよ。

まあ、あんまり詳しい説明になってないよな気もするけど、とにかくミック・ファーレンの仲介でデヴィアンツの残党とトゥインクが合体して出来たのが、このピンク・フェアリーズなのだ。

そんなサイケのボスの息がかかったバンドとサイケの申し子が合体したピンク・フェアリーズなんで、基本的にはハード・ロックなんですけど、サイケな香りも当然のようにプンプンとあります。

まずピンク・フェアリーズの特徴のひとつにツイン・ドラムというものがあります。
このツイン・ドラムが炸裂することによってハードなサウンドをより演出しておりますよ。
まさにピンク・フェアリーズのサウンドの核ですが、ギターなんかもめちゃくちゃテクニカルじゃないけども、しっかりポイントを押さえたブリティッシュ・ロックらしいソロを見せたりしている。
ここらへんのサウンドの一体感はかなり良いものがありますよ。
ヴォーカルはあんまり上手い方じゃないけど、ちょっとしゃがれ声でそれなりの味はある感じで、なんとなく小粒なジョー・コッカーという雰囲気もあったりするかな。

それにプラスしてさっきも言ったようなサイケっぽさも加わってて、そのあたりのハードな面とサイケな面がなかなか絶妙に絡んでるように思う。
かと思えばプログレっぽさもあるし、結構メロディアスなところもあったり、もちろんインストゥルメンタルもあったりと、意外とやりたい放題なところがあってアルバム・ジャケットのイメージだけで聴くと、凄いギャップがあるような気がしますよ。
でも、カッコイイことはカッコイイんですけどね。

オープニング「Do It」はアコースティックで始まって、1分過ぎたところからサウンドがヘヴィーに一転。
ヴォーカルの大半はタイトルの”Do It”を連呼してるだけの変な曲ではあるけど、途中のギター・ソロを含め、かなり良いハード・ロック・ナンバーになってますね。
アルバムのオープニングとしてはなかなかインパクトがあって良いと思うよ。
次の「Heavenly Man」はなんとなくデヴィッド・ボウイの「Space Oddity」のようなテンポで、ホンの一瞬だけ「Space Oddity」っぽいフレーズもあったりするけど、これは私の気のせいでしょうか?
3曲目「Say You Love Me」でまたハードに戻って、次の「War Girl」ではまったりとしたイントロで、どことなくAORのような良く分からん構成になってます。
このあたりの節操のなさがピンク・フェアリーズのやりたい放題という部分でしょう。

次の「Never Never Land」では途中の終始叩きまくってるドラムと、それに呼応するかのようなギターが山場で、曲の終わりがちょっとトリップしそうな感じのサイケでプログレチックな感じになっている。
この普通に終わってれば良いところを、変にアレンジしてしまうのもピンク・フェアリーズらしいところかなーなんて思ってしまいますね。
ちなみに7曲目の「Thor」は、そんなトリップ感で埋め尽くされた変なインスト・ナンバーになってますよ。
他にもタイプの違う曲があるので、かなりバラエティには富んでますね。
さらに今あるCDには4曲のボーナストラックもあって、そのうちの1曲はこのデビュー・アルバムに先立って出したEP盤の「The Snake」という、かなり軽快なナンバーもあるので、ますます聴き応えがあるかと思います。

ですので、ちょっと変わったハード・ロックではあるけど、結構良いアルバムだと思うので、興味があれば聴いてみても良いと思いますね。
70年代のブリティッシュ・ロックが好きな人なら違和感なく聴ける気がしますよ。

ちなみにこのアルバムを最後にトゥインクは脱退し、以後、1枚ごとにメンバー・チェンジ繰り返していくので、同じピンク・フェアリーズというバンドでも、アルバムによってサウンドは全く違ってたりする。
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by sy_rock1009 | 2007-08-04 21:54 | 洋楽アルバム・70's
個性的なハード・ロックだが、カッコイイのは間違いない!
3度目の登場となります、ポール&エイドリアンのガーヴィッツ兄弟。
いわゆる”最強のブリティッシュ・ハード・ロック兄弟”で、特にエイドリアンのギターは私の大好物で昔から大好きなんですけど、そんなガーヴィッツ兄弟がガンのあとに元スプーキー・トゥースのドラマーだったマイク・ケリーを迎えて結成したのが、今回のスリー・マン・アーミーというトリオ・バンドでございます。
という事で71年のデビュー・アルバム「A THIRD OF A LIFETIME」なのだ。

●THREE MAN ARMY / A THIRD OF A LIFETIME
●スリー・マン・アーミー / ア・サード・オブ・ア・ライフタイム


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Tracks
 1.Butter Queen
 2.Daze
 3.Another Way
 4.A Third Of A Lifetime
 5.Nice One
 6.Three Man Army
 7.Agent Man
 8.See What I Took
 9.Midnight
10.Together


スリー・マン・アーミーは3枚のアルバムを出してるんですけど、実のところ出来としては最後のアルバム「THREE MAN ARMY TWO」が一番良くて、重厚でいて全体のバランス感覚が絶妙なアルバムやったりします。
オープニングの「Polecat Woman」なんかは悶絶もんのカッコよさがあるので、最初はそっちのアルバムの事を取り上げようかなーと思ったりしたけど、やっぱ記念すべきデビュー盤という事もあるし、この「A THIRD OF A LIFETIME」というアルバムも相当にカッコイイので今回はこっちにしました。

というか、2枚目もカッコイイんですけどね。

それで基本的にはガンもトリオ・バンドやったんで、スリー・マン・アーミーもその延長線上のサウンドではあるんやけど、より勢いのあるサウンドになっていて、劇的な展開もあり、叙情的な雰囲気もありと抜群の構成になっていて、もう正真正銘、どこから聴いても正にブリティッシュ・ハード・ロックってものになってます。

オープニング「Butter Queen」のズンタタと繰り出すドラムが15秒ほど暴れ、それにかぶせるように小刻みに踊るベース、それに何と言ってもエイドリアンらしい歯切れのあるギターが絡みつくという、だいたい40秒ほどあるこのイントロだけでブリティッシュ・ロック好きなら完全にヤラれるね。
ドラムは途中でソロも織り交ぜながら終始、手数多くバシバシと決めてるし、エイドリアンのギターがかなりアグレッシヴに攻めてる感じといい、それらを引き立たせるヘヴィーなベースといい、とにかくスリリングでめちゃくちゃカッコイイ曲なんです。
やっぱり、この曲は最高ですよ。

続く2曲目、3曲目も「Butter Queen」ほどではないけどハードに決めてるし、かと思えば4曲目のタイトル・ナンバー「A Third Of A Lifetime」ではアコースティックにストリングスをかぶせためちゃくちゃメロディアスなインストゥルメンタル・ナンバーでアルバムを引き立ててます。
このへんの緩急が私的には最高と感じるところで、エイドリアンの懐の深さを堪能出来るポイントですよ。
ハードな「Butter Queen」も良いけど、メロディアスなインストゥルメンタル・バラードの「A Third Of A Lifetime」もカッコ良すぎです。

それで、インストゥルメンタルと言えば5曲目「Nice One」と9曲目「Midnight」もそれに当たるんですけど、ハード・ロックのアルバムに3曲もインストゥルメンタルがあるのは結構珍しいとも言えるかな。
でも、3曲とも全然タイプが違うので、基本的には間違いなくハード・ロックなんですけど、それだけの枠にとらわれない姿勢みたいなもんが見えておもしろいですよ。
ラストではメロトロンなんかも使ってるし、他の良い要素もあれば貪欲に取り込んでいきますよ、という感じですね。

だからどの曲もバラエティに富んでるので、聴いてて全然飽きない。
やっぱりこれもブリティッシュ・ロック・ファンならCDラックに入れておいて欲しい一枚です。

b0054129_2252112.jpgちなみにどうでも良い事やけど、アメリカの方では←な感じのジャケットで発売されてたようです。
それで私は前から疑問に思ってたけど、イギリスとアメリカでは曲のタイトルが微妙に違うから、曲のアレンジもイギリスとアメリカで違うのかと思ってたら、ただ単にアメリカ側の表記ミスというのが、CDのライナーを読んでようやく知ることが出来ました。

表記ミスだけでなく曲の並びも微妙に違ってたりするので、個人的に前々から気になってた事やったけども、謎が解けてスッとしたと同時に、さすがアメリカやなーとも思ったね。
まあビートルズのアルバムも、ウソみたいやけど「REVOLVER」まで本人たちの意志とか関係なく自由に編集したもんを普通に発売してたぐらいやから、別にこれぐらいどうって事ないんかも知れんけどね。

って、最後は全然関係ない話になったけど、スリー・マン・アーミーはマジお薦めです。
独特の個性が際立つハード・ロックを堪能出来ますよ。
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by sy_rock1009 | 2007-07-19 22:26 | 洋楽アルバム・70's
悪魔のヨーデル
オランダが世界に誇るプログレ・バンドと言えば、やっぱりフォーカス。
これしかないでしょう!
という事で、今回はそんなフォーカスが世界的な活躍をするきっかけとなった、彼等の出世作ともいえる71年に発表した2枚目のアルバム「MOVING WAVES」を紹介です。

●FOCUS / MOVING WAVES
●フォーカス / ムーヴィング・ウェイヴス


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Tracks
1.Hocus Pocus
2.Le Clochard
3.Janis
4.Moving Waves
5.Focus II
6.Eruption






フォーカスはクラシックやジャズなんかをベースにしたインストゥルメンタルのプログレ・バンドなんですけど、ここまでじゃあ他のバンドにもあるスタイルって感じかと思います。
でも、フォーカスが他とちょっと違うのがヨーデルなんかも取り入れたりしていて、何だか良く分からん、ごちゃ混ぜロックを表現しているところでしょう。
しかもそれがめちゃくちゃカッコイイというから、とにかく不思議なバンドであります。

そんなフォーカスの中心となる人物がキーボードにフルート、それに例のヨーデルを発するタイス・ヴァン・レアという人であります。
このタイスがとにかく面白い!
なんか悪いもんにでも取り憑かれたかのような、物凄い形相でぶちかますスキャットっぽいヨーデルが、もう腹を抱えるほどの面白さがあるんですよね。
私が子供の時になにかで見たフォーカス…というか、そのタイスの凄さに思わずトラウマになるかというほどの衝撃を受けたんですけど、それぐらい強烈な個性を持つ人です。
フルートを吹く姿もなかなか強烈ですし、ジェスロ・タルのイアン・アンダーソンといい、このタイスといい、なぜロックにフルートを持ち込む人はこんなイッちゃってる系ばっかりなんでしょうか?

そんなタイスの面白さが分かるのがこのアルバムの1曲目にある”悪魔の呪文”という邦題がついた「Hocus Pocus」って曲で、この曲はフォーカスの代表曲なんですけど、なんていうか悪魔の呪文っていうよりも、悪魔のヨーデルがいきなり堪能出来るもんになってます。
こんな曲がアルバムのオープニングを飾って、しかもそれがヒットするとはやっぱり70年代って最高やなーと思ったりしますね。
とにかくこの曲の面白さは異常なんです。

だからと言って面白いだけじゃないのがフォーカスの良さでもあるんですよね。
そう、サウンドの方はもうめちゃくちゃカッコイイ!
特にギターのヤン・アッカーマンは凄いです。
派手さはなく、どっちかというと質実剛健タイプなギタリストではあるけど、とにかくこのギターがカッコイイんですよね。
まあ、エディ・ヴァン・ヘイレンも憧れたっていう有名な話もあるので、その話一つを聞くだけでも、なんとなくヤン・アッカーマンの凄さが分かるかと思いますよ。
実は私がフォーカスを聴くきっかけになったのも、エディがヤン・アッカーマンを好きとあって、それならエディの事を好きな私も聴いてみるしかあるまいと思ったのがきっかけであります。

まあ、もちろん根本は子供の時に見たタイスの衝撃が強かったってのがあるけどね。

とにかく面白いけど、めちゃめちゃカッコイイという、両極端な要素がガッチリ詰まったところがフォーカスの良いところですね。

ってコトで、フォーカスは映像で見たほうが色々と語るよりも分かりやすいので、その代表曲である「Hocus Pocus」を貼っておきます。

何回見てもおもろいなー、しかし。
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by sy_rock1009 | 2007-07-08 00:13 | 洋楽アルバム・70's
何はなくともエイプリル・ロートン
ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのミッチ・ミッチェル、ブルース・イメージ~アイアン・バタフライのマイク・ピネラという、なかなか濃い2人が中心となって72年に結成されたのが今回のラマタムというハード・ロック・バンドでございます。
って事で久しぶりにアメリカのバンド紹介となってしまいますが、そのラマタムの72年のデビュー・アルバム「RAMATAM」なのだ。

●RAMATAM / RAMATAM
●ラマタム / ラマタム


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Tracks
1.Whiskey Place
2.Heart Song
3.Ask Brother Ask
4.What I Dream I Am
5.Wayso
6.Changing Days
7.Strange Place
8.Wild Like Wine
9.Can't Sit Still



このラマタムというバンドも数多くあるスーパー・バンドのうちの一つに入るらしい。
やっぱりミッチ・ミッチェルとかが絡んでるからなのかも知れんけど、実際にはこのバンドの何が一番スーパーかと言うと、それはやっぱエイプリル・ロートンしかいないでしょう。

とても女性が弾いてるとは思えない…なんて言い方はナニやけど、エイプリルの骨太でヘヴィーなグルーヴをしたギターはめちゃくちゃカッコイイし、おまけに美人というから、そりゃイヤでもロック・ファンなら注目してしまうでしょう。
さらにラマタム解散後は画家になったりという少しの情報はあるものの、詳しい経歴は謎のまま今に至ってたりします。
そのあまりの謎めいた部分が大きすぎて、実は性転換した男性なんじゃないかという、よう分からん噂まであったみたいですけど、それだけエイプリルのギターが素晴らしいという証拠にもなっていると思いますね。

とにかく美人な上に凄腕のギタリスト、さらに謎に包まれた経歴という、これで注目するなと言われても無理なほどの三点セットを備えたエイプリルは、ホンマにカッコイイ、ハード・ロックを聴かせるギタリストなんですよね。

しかし、いつ聞いても性転換した男性説はおもろいけども、ちょっと夢が壊れるので、こういう場合、謎は謎のままにしておく方が良いんでしょうね。

って事で、そんな凄腕で謎の美人ギタリスト、エイプリル・ロートンを含めたラマタムは5人組のハード・ロック・バンドとなってます。
恐らく中心はだいたいの曲作りをし、ヴォーカルをとり、サイド・ギターも担当と大車輪の活躍のマイク・ピネラだと思うけど、エイプリルも曲作りに3曲絡んでるし、ラスト・アルバムとなる次のアルバムではマイク・ピネラもミッチ・ミッチェルも脱退していて完全にエイプリル中心のバンドになっているので、意外とこの時点からエイプリルが中心やったりするかも知れません。
やっぱラマタムはエイプリルあってのバンドなんでしょうかねー。

曲の方はオープニングがやっぱり何と言ってもカッコイイ。
この曲でのオープニングからのリフもやけど、途中のソロを聴くだけでもエイプリルのギターのカッコ良さが分かるけども、マイク・ピネラの汗が飛び散るかのようなソウルフルな暑苦しいヴォーカルもまたカッコイイです。
やっぱりこれが代表曲なんでしょうね。

かと思えば4曲目の「What I Dream I Am」なんかはコーラスも決まった最高のバラードやけども、オープニングのファンキーな「Whiskey Place」との極端な落差がラマタムの良いところでもあると思います。
この2曲の対比はなかなかおもしろい。

でも、さらにおもしろいのは基本的にファンキーでノリの良いグルーヴのハード・ロック・サウンドなんですけど、よくよく聴いてみると色んな要素てんこ盛りで、このへんはライナーにも書いてるけど、何でもアリなところがラマタムの一番の持ち味やったりします。
しかもそれが良い具合に昇華されてる感じが聴いて取れるので、いかにもアメリカン・ハード・ロックな感じがあるものの、私のようなブリティッシュ・マニアな人間にも違和感なく聴かせる感じがするのが良いところかな。

とにかくエイプリルのギターは当然ながら、アルバム全体としても聴きどころの多いものになってます。
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by sy_rock1009 | 2007-06-24 22:40 | 洋楽アルバム・70's
ポップ・ロック・アルバムの最高峰でしょう!
ピーター・グリーン時代のブルーズ・ロックしていた時や、ちょっと低迷していたボブ・ウェルチ時代も好きですけど、私の中でのフリートウッド・マックというとやっぱりスティーヴィー・ニックス、リンジー・バッキンガム加入後って事になってしまうかも知れません。
やっぱこの黄金期のマックが一番好きやし、一番良く聴きましたね。
なかでもベタやけど77年のアルバム「RUMOURS」はホンマに良く聴きました。

●FLEETWOOD MAC / RUMOURS
●フリートウッド・マック / 噂


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Tracks
 1.Second Hand News
 2.Dreams
 3.Never Going Back Again
 4.Don't Stop
 5.Go Your Own Way
 6.Songbird
 7.The Chain
 8.You Make Loving Fun
 9.I Don't Want to Know
10.Oh Daddy
                      11.Gold Dust Woman


連続ではないといえ、ビルボードで通算31週も1位になったというぐらい超有名なアルバムなんで、ほとんどのロック・ファンなら知ってるし聴いた事あるアルバムでしょうね。
この6年後にマイケル・ジャクソンは「THRILLER」で、さらに上を行く37週1位って事をやってたけど、それでもなかなかこんなにトップに居座り続ける事は出来たもんじゃない。
今じゃまず考えられへん売れっぷりです。
しかも、そんだけ1位に居続けたって事は、当然マックによって1位の座を阻まれた沢山の2位止まりで終わってしまったアルバムがあるわけやけど、そのなかにはビートルズも含まれてるんですよね。
77年にビートルズは「THE BEATLES AT THEHOLLYWOOD BOWL」という新音源のライヴ盤を出したんですけど、いくらライヴ盤というちょっとマニア向けのアルバムといえ、ビートルズの全く新しい音源のアルバムさえも1位を獲らせなかった「RUMOURS」は、それだけでも凄さが分かる感じですね。
他にはクロスビー、スティルス&ナッシュや、映画「スターウォーズ」のサントラなんかも2位止まりやったかな。
とにかく凄い1位の死守っぷりです。

そんだけこのアルバムが良いって事なんでしょうねー。

で、長々とアルバム自体には関係ない事を書いてもうたけど、実は私はこのアルバムの良さが最初あんまり分からんかった。
そんだけロングセールを記録したんやったらよっぽど良いアルバムなんやろーと思って聴いたけど、意外とピンと来るもんが少なかったかな。
でも「Go Your Own Way」だけは一発でカッコイイと思ったけどね。
それ以外はどうも大人しい感じの曲が多いなーって感じで、聴く前から期待しすぎてたってのもあって、どうもしっくり来ませんでした。
というか、それ以前にガキんちょやった当時のオイラにはただ聴くのが早すぎただけかも知れんけどね…。

でも高校の時に何となくこのアルバムを聴きなおしたら、これがかなり印象が変わって聴こえて、ようやくこのアルバムの良さが分かった感じなんですよね。
とにかくどの曲も素晴らしいんです。
どう素晴らしいのかと言われても説明しにくいけど、曲そのものの流れが良いと言うか、どの曲もメロディーが生きてる感じ。
もう捨て曲一切なしですね。
シングルでも1位になった「Dreams」「Don't Stop」「Go Your Own Way」「You Make Loving Fun」というトップ10シングルは当然ながら、それ以外の曲もかなり良いです。
やっぱりスティーヴィー・ニックス、リンジー・バッキンガム、クリスティン・マクヴィーという、歌も上手いソングライターが3人いるからこそ出来たアルバムなんでしょうね。
ノリの良いリンジー・バッキンガムの「Go Your Own Way」の後に、クリスティン・マクヴィーのじっくり聴かせる「Songbird」が続く展開は、お互いの個性が出てて、おもろい感じがします。
でも、個性と言えばスティーヴィー・ニックスの”妖精”という呼び名と、その反面、ちょっとダミ声チックなけだるい声は相当の個性ですね。
それに”けだるい”にちょっとエロい感じもあって、何か知らんけど独特の雰囲気があるんですよね、この人のヴォーカルは。
エロけだるいスティーヴィー・ニックスに、幅広く歌えるリンジーとクリスティンという、3人の個性が絶妙に絡んでるこのアルバムはやっぱり凄いと思います。

あと、リンジー・バッキンガムのギターもかなり良いです。
何の本か忘れたけど今やピン芸人状態のマーティー・フリードマンもリンジーのギターを賞賛してたのが載ってたけど、独特のフィンガー・ピッキングから出るサウンドは何気に良い。
なんていうかギターが歌ってる感じなんですよね。

とにかく3人とも才能ありすぎ!
やっぱいつ聴いてもこのアルバムには、何とも言えんワクワク感がありますよ。

って事で、97年、再結成ツアーでの「Go Your Own Way」でも貼っておきますけど、このアルバムからちょうど20年も経ったとは思えんぐらいレベルの高いパフォーマンスですな。
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by sy_rock1009 | 2007-06-05 00:49 | 洋楽アルバム・70's
ブリティッシュ・フォーク・ロック、トゥリーズ
個人的にフォーク系はあんまり好きじゃないので熱心に聴くジャンルじゃないけども、たまーにストライク近辺に来るバンドがあったりします(完全なストライクじゃないのがミソ)。
その中の一つにトゥリーズというイギリスのバンドがあるんですけど、今回はそのトゥリーズが70年に発表した2枚目のアルバム「ON THE SHORE」を紹介しますだ。
ちなみに2枚目と同時にラスト・アルバムでもあります。

●TREES / ON THE SHORE
●トゥリーズ / オン・ザ・ショア


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Tracks
 1.Soldiers Three
 2.Murdoch
 3.Streets Of Derry
 4.Sally Free And Easy
 5.Fool
 6.Adam's Toon
 7.Geordie
 8.While The Iron Is Hot
 9.Little Sadie
10.Polly On The Shore


とりあえずアルバムの中身は知らんという人でもヒプノシスが手がけたこのジャケットは何となく見たことあるってぐらい、結構知られた一品ではあるかな。
知らん人が見たとしてもパッと見ただけで目を引くような存在感があるので、そういう意味では思わずジャケ買いさせてしまうぐらいの力が、このジャケットにはあるのかも。
でも、私はこのジャケットあんまり好きじゃないんですよねー。
何て言うかこの水を撒いてる女の子の顔色がやたら青白い感じでちょっと不気味…。
そして裏ジャケットもより不気味です。
だから中身の方も不気味なのかなーって感じですけど、意外とそうじゃなかったりする。

トゥリーズはイギリスで最高のフォーク・ロック・バンドと言われるフェアポート・コンヴェンションのようなものを目指して結成されたようで、メンバーは女性ヴォーカルのセリア・ハンフリーズにデヴィッド・コスタ(g)、バリー・クラーク(g)、バイアス・ボシェル(b)、アンウィン・ブラウン(ds)という5人組バンドとなってます。
サウンド的にはフェアポート・コンヴェンション直系のフォーク+トラッドっていうスタイルに、よりロックっぽさを足した感じになってます。
あとプログレもちょっと入ってるかな。
そんな感じのスタイルでデビュー盤もこのアルバムも、バンドのオリジナル曲とトラッドのアレンジという構成になってますね。

と言っても私は1枚目は聴いた事ないけども…。
どうやら1枚目はまだロック色が薄く、フェアポート・コンヴェンションの流れそのままって感じのようですが、そのうちに聴いて見たいなーと思っております。

って事でこの「ON THE SHORE」なんですけど、このアルバムはオリジナルが2,5,8の3曲だけで、あとは全てトラッドのアレンジ。
じゃあ、あんまりオリジナリティーはないのかよって感じですが、聴いてみると意外とそうじゃない妙な雰囲気があったりするのがこのバンドの面白いところであります。
それと妙な雰囲気にプラスして独特の暗さがあるのも特徴。
1曲目の「Soldiers Three」からしてその暗さ爆発で、ドンドンというドラムの2発の音を合図に、セリアの低音で起伏のない声が響いてくる感じは、私的に謎のお経でも読んでるのかと最初に思ったぐらいの曲でしたね。
それと同時にこんな念仏ヴォーカルがずっと続くんかなと思ったけど、この曲以降は念仏どころか、高音の澄んだヴォーカルで歌ってるのがほとんどで、そっちの部分がホントのセリアのヴォーカルの魅力やったりします。
だからといって「Soldiers Three」のような念仏ヴォーカルも、何回も聴いていくとなぜかクセになったりするんですけどね。
そういう意味でめちゃくちゃ歌が上手いって訳じゃないけど、色んな歌い方が出来る力はあると思うし、なによりサウンドに溶け込んでる空気が漂ってるのが実に良いと思う。
特にアルバム前半はそういうのが良く出ている感じですね。

あと演奏もなかなかのもんがあって、とりあえずドラムは全てにおいて良いキレしてる。
このドラムがかなりカッコイイ。
それとギターもアコースティックだけじゃなくエレキで頑張ってるのもあって、ロック好きな人にも十分聴けるものがあるのも良い感じですね。
「Streets of Derry」とか「Fool」とかはまさにそんなギターがあって、フォークってのを意識せず、普通にロックとして聴ける私の好きな曲です。

とにかく全体的にに不思議なアルバムですけど、なんかクセになるんですよね。
その独特のクセはかなり人を選びそうでもあるので別にお薦めしないけども、まあ、ちょっと良質B級アルバムでも聴いてみようかなって人にならお薦め出来るものであります。
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by sy_rock1009 | 2007-05-14 22:31 | 洋楽アルバム・70's