カテゴリ:洋楽アルバム・60's( 6 )
アルヴィン・リーの熱いブルーズ・ロック
テン・イヤーズ・アフターというとやっぱりウッドストックでの「I'm Going Home」の熱演と、バンドを率いるアルヴィン・リーの速弾きギターがまずは思いつきますね。
まあ、さすがに速弾きと言っても今と比べると特別に凄いってわけではないけど、当時としては間違いなく画期的なフル・ピッキングを披露してました。
という事で今回はそんな元祖速弾きギタリストで、ヴォーカリストでもあるアルヴィン・リー擁するテン・イヤーズ・アフターの69年のアルバム「Ssssh」を。

●TEN YEARS AFTER / Ssssh
●テン・イヤーズ・アフター / 夜明けのない朝


b0054129_22243834.jpg
Tracks
1.Bad Scene
2.Two Time Mama
3.Stoned Woman
4.Good Morning Little Schoolgirl
5.If You Should Love Me
6.I Don't Know That You Don't Know My Name
7.The Stomp
8.I Woke Up This Morning




テン・イヤーズ・アフターというバンド名は、例え自分達の音楽が今は理解されなかったとしても、10年後には理解されるようになっているという意味で付けられたようです。
でも実際に彼等の音楽が受け入れられるまで10年もかからず、本国イギリスではデビュー前からステージで評判だったようです。
と言うか、デビューのきっかけもそのステージでの評判が良かったからなんですけどね。

そんな人気の出てきた最大の要因は間違いなくアルヴィン・リーのギターだと思いますけど、ギブソンES-335から鳴り響く速弾きは、彼に”キャプテン・スピード・フィンガー”という異名を与えたぐらいに当時としてはカッコイイもんでした。
いや、今でも十分カッコイイんですけども。

で、デビューのあと例のウッドストックでさらに人気が出たテン・イヤーズ・アフターですけど、それでもまだ日本では大きな人気があるとはいえない状況だったようです。
でもウッドストックに出演した同じ年に出したこの「Ssssh」というアルバムでようやく日本でも人気のあるバンドとなったみたい。

バンドの結成は67年で、このアルバムが出たのは69年なんで、バンド名の由来のように10年もかからず、実際は2年ほどでイギリス以外でも理解されるようになったって事ですね。

そんなテン・イヤーズ・アフターのアルバム「Ssssh」なんですけど、これってどう読むんでしょう?
実はいまだに良く分かってません。

まあ、そんな事はアルバムの内容とはあんまり関係ないから良いんやけど、とにかくこの「Ssssh」というアルバムだけでなく、テン・イヤーズ・アフターというバンドのベースにあるのは間違いなくブルーズなのであります。
もう典型的なブルーズ・ロック・バンドなのだ。
それにちょっとジャズっぽさの混じったサウンドが、このバンドの特徴でしょうかね。
あと、時代が時代なんでホンの少しだけサイケっぽい感じもあったりするけど、これはオイラの気のせいかも知れません。
大部分がブルーズで少しジャズが入ってるってところでしょうね。

そんなサウンドにアルヴィン・リーの熱いギターはもちろん、汗が飛び散る様子が分かるかのような、男汁全開の気合の入った表情で熱く歌うヴォーカルがブルーズ・ベースのサウンドをさらに盛り上げます。
なのでロリー・ギャラガーとはまた少し違うけども、そういった熱いブルーズ・ロックが好きなら間違いなくこのアルバムも聴けるハズです。

ライヴになるとさらに盛り上がって「Good Morning Little Schoolgirl」なんかはライヴ・バージョンの方がカッコイイので、このアルバムが気に入ったらライヴ盤なんかも含め聴いてみても良いかも知れませんね。

ちなみにアルヴィン・リーは後に”テン・イヤーズ・レイター”という凄いシャレをかましたバンドを結成しましたけど、個人的にその頃の事は良く知りません。
[PR]
by sy_rock1009 | 2008-02-08 22:43 | 洋楽アルバム・60's
ハード・ロック兄弟のスタート
以前にベイカー・ガーヴィッツ・アーミーのアルバムを取り上げて、そこでポール&エイドリアンのガーヴィッツ兄弟の事を”最強のブリティッシュ・ハード・ロック兄弟”と書きましたが、そのスタートとなったバンドが今回取り上げるこのガンです。
って事でガンの68年のデビュー・アルバム「GUN」です。
しかし、なんちゅう邦題や?

●GUN / GUN
●ガン / 悪魔天国


b0054129_21204195.jpg
Tracks
1.Race With The Devil
2.The Sad Saga Of The Boy And The Bee
3.Rupert's Travels
4.Yellow Cab Man
5.It Won't Be Long (Heartbeat)
6.Sunshine
7.Rat Race
8.Take Off




超がつくようなメジャー・バンドではないけども、ブリティッシュ・ロックを語る上では重要なバンドってものがあって、まさに今回のガンってバンドがソレに当たるでしょう。

メンバーはポール(b)とエイドリアン(g,vo)のガーヴィッツ兄弟に、ルイス・ファレル(ds)というトリオ・バンドなんですが、何でか分からんけどポールもエイドリアンもクレジットでは”カーティス姓”になってるんですよね。
しかも、この次のアルバムも…。
何でだろう?

まあ、そんな事はどうでも良いけど、エイドリアンは弱冠15歳でプロのキャリアをスタートさせて、この時は18歳だったというんだが、とてもじゃないが18歳とは思えないエッジの効いたハードなギター・サウンドを出してます。
もう、この事だけでもアルバムを聴く価値はある。
スゲー、スゲーよ、エイドリアン!
しかもハード・ロック黎明のこの時代に、ストリングスやホーン・セクションを採り入れたハードなサウンドは、他のどのバンドよりも一歩先を行ってたように思う。
それぐらい先鋭的な香りをプンプン漂わしてますよ、このガンってバンドは。
この時期のナンバー・ワン・バンドと言えばもちろんクリームで、今でこそハード・ロックの元祖的な感じに言われてるが、実際にはガンの方がよりハード・ロックを実践しているように思うね。

だから当然、アルバム全体で見ても一貫したハード・ロックで、終始かっこいいサウンドで攻めています。
しかも、だたハードなだけでなく、先ほどにも書いたストリングスやホーンをドラマティックに採り入れ(このドラマティックがミソ)、どの曲も一本調子にならないような工夫も見れるアイデアとバラエティさが合わさったものになってますよ。
ギターも凄いけど、こういったアレンジ面も凄いのがエイドリアンの並じゃないところですね。
まあ細かく言うとバラエティに富んではいるが、アルバムをトータルで見たら、バラついた感じがあるように聴こえるのも確かなところ。
でも、そんな細かい事はどうでも良いです。
このアルバムにはそれら若干のバラつきなど、ものともしないパワーがある。
それにガーヴィッツ兄弟の音楽にかける情熱もね。

まさに私的に言うならこのアルバムは”情熱のハード・ロック”ですよ、いや、マジで!
(もっそ、大げさですけどね…。)

まあ、それぐらいカッコイイって事ですよ。
曲としては1曲目の「Race With The Devil」が有名で、いきなり全英で8位になり、後にいくつかのバンドにカバーされるなどの名曲となってますね。
クリームの「White Room」に曲の始まりが似てますけど。
他の曲も良いのが揃ってて、「Yellow Cab Man」なんかのギター・リフは、もう言うことありません。
とにかく全部が聴きどころ。
今から聴くと古臭い感じではあるが、ちょっと粘っこいヴォーカルもよく合ってます。
それにエイドリアンばっかり褒めてますけど、ポールの太いベースもカッコイイし、ドラムのズタズタ感も良いんだな。
これを名盤と言わずして何と呼べばいいのやら…。
ブリティッシュ・ロック好きな人には特に聴いてもらいたいアルバムですね。

ちなみにジャケットはらしくないけどロジャー・ディーンで、このガンには一時期、イエス加入前のジョン・アンダーソンも在籍してたようです。
[PR]
by sy_rock1009 | 2006-06-01 21:38 | 洋楽アルバム・60's
向こう側に突き抜けろ!
何気にこうやってアルバムを取り上げ始めて今回のでちょうど50枚目だったりします。
桃鉄やったら記念仙人でも出てきて、のぞみカードあたりを貰えそうな感じではあるが、
とにかく50枚目となる今回のアルバムは、ドアーズが67年に発表したデビュー・アルバム「THE DOORS」なのだ。

●THE DOORS / THE DOORS
●ドアーズ / ハートに火をつけて


b0054129_2147444.jpg
Tracks
 1. Break On Through (To The Other Side)
 2. Soul Kitchen
 3. Crystal Ship
 4. Twentieth Century Fox
 5. Alabama Song (Whiskey Bar)
 6. Light My Fire
 7. Back Door Man
 8. I Looked At You
 9. End Of The Night
10. Take It As It Comes
                            11. The End


何でもかんでも”カリスマ”という一言で神格化させるのは好きではないけど、ジム・モリスンに対してはやっぱりその言葉を使ってしまう。
それぐらいジム・モリスンって人は強烈なオーラを放っていた。
ドアーズの核であり詩人でもある彼は、音域は広くないけど独特の声を持ったヴォーカリストとしても類まれなる資質を持っている。
さらにステージでのセクシャルなパフォーマンス、そして数々の逮捕騒ぎなど、どれもが
強烈です。
やっぱりジム・モリスンはタダ者じゃないね。
とにかくこの人には、やると言ったらやる………『スゴ味』があるッ!

って事で、メンバーはジム・モリスン(vo,)、レイ・マンザレク(key,)、ロビー・クリーガー(g,)、ジョン・デンズモア(ds,)という4人からなるドアーズ。
どんな本か私は読んだ事はないけど、当初はオルダス・ハクスリーのメスカリン服用の
体験記「知覚の扉」からバンド名をドアーズ・オープン&クローズドと名乗ってたようだが、後にドアーズと縮める。
サウンドとしてはキーボードを主体にジャズ、ブルーズの要素を取り入れたもので、アメリカではあまりないスタイルのものになっているかな。
またベースがないというのも有名ですね。
でも、レイ・マンザレクのキーボードがその役目も果たしているし、他のパートの演奏力もそこそこあるので、ちょっと聴いただけではベースがないという事に気がつかないぐらいのサウンド構成力は持ってる。
そんな一見、軽いようでしっかりしたサウンドに、ジム・モリスンの朗読のように静かに歌い上げたり、時に熱くシャウトしたりするヴォーカルが合わさったのがドアーズというバンドの基本的なサウンドでしょう。

そういったサウンドでパンクのルーツにまで上げられるドアーズがデビューとして発表したのが、このアルバムです。
もう、脅威のデビュー・アルバムですよ、これは。
どれも素晴らしい楽曲ではあるが、特に代表的なのが1、6、11曲目。
1では「向こう側に突き抜けろ!」と強烈なメッセージは放ち、6では思いっきりセックスを連想させ、父親を殺して母親を姦すってな内容で、フランシス・コッポラの映画「地獄の黙示録」にも使われたことで有名な11と、とにかく凄まじい詩のこれら3曲。
当時の人が衝撃的だったのは当然、今でも十分に衝撃的です。
ちなみにコッポラはジム・モリスンの学友でもある。

また、単に詩が衝撃的なだけじゃなく、サウンドもカッコイイ!
その象徴がやっぱ「Light My Fire」だよなー。
この曲こそドアーズのイメージを決定付けたほどの名曲です。
アルバムが出たのは67年の1月で、「Light My Fire」がシングルとして出たのは7月の頃。
ほぼ同時期にビートルズが”人類愛”をテーマに「All You Need Is Love」を歌っていたのに、ドアーズはあからさまにセックスの歌を歌ってるなんて、なかなか凄い事かも。
まあ、とにかくカッコイイ曲で、それ以前にアルバム全体が素晴らし過ぎます。
こりゃ、一家に一枚の代物ですよ。

ついでにアルバムが気に入ったらオリヴァー・ストーンの伝記映画「ドアーズ」も見てしまいましょう。
オリヴァー・ストーンらしくヒネッたところもあるが、見ればさらにドアーズに興味が出ると思いますよ。
ヴァル・キルマーのジム・モリスンがハマりまくり。
[PR]
by sy_rock1009 | 2006-04-29 22:12 | 洋楽アルバム・60's
ブリティッシュ・ハード・ロックの原点
約2年半という短い活動期間ながらハード・ロックの原点とも言えるサウンドを作り出し、後に多大な影響を与えたのがジャック・ブルース、エリック・クラプトン、ジンジャー・ベイカーの3人からなるクリームというバンドだ。
今日はそんな史上最強のロック・トライアングル、クリームが2枚目のアルバムとして67年に発表した「DISRAELI GEARS」です。
ちなみに日本ではこのアルバムがデビュー盤でした。

●CREAM / DISRAELI GEARS
●クリーム / カラフル・クリーム


b0054129_228199.jpg
Tracks
 1.Strange Brew
 2.Sunshine Of Your Love
 3.World Of Pain
 4.Dance The Night Away
 5.Blue Condition
 6.Tales Of Brave Ulysses
 7.Swlabr
 8.We're Going Wrong
 9.Outside Woman Blues
10.Take It Back
                      11.Mother's Lament


3人とも素晴らしい才能と、それぞれの火花散るようなプレイの応酬が聴くものを魅了したクリーム。
それほど3人の個性が強かった訳ですけど、解散に至ったのも余りに強すぎた個性というか、エゴの衝突が原因というのも諸刃の剣状態で、ある意味仕方なかったんでしょうね。
”各人が全体のサウンドなど考えずに、自己のプレイに没入してしまい、ある晩、クラプトンが曲の途中で演奏をやめて突っ立って2人を眺めてるのに、それに気付かず2人は最後まで演奏していた”という有名なエピソードを、後にクラプトンが語っていたようだが、それぐらい自己中心的だったんでしょうね。
そら、すぐ解散するわってぐらい、おもろいエピソードで私、この話大好きです。
こういうところもロックにはあって良いかもね?

まあ、ともかくそんなクリームが2枚目として発表した「DISRAELI GEARS」は、実に
カッコ良いアルバムであります。
そんな事、いまさら言わんでも殆どの人は知ってる事やけど…。
このアルバムからソングライターとして出会ったフェリックス・パパラルディをプロデューサーに迎え、以後、パパラルディはクリームを名サポートしていくのですけど、まさしくクリーム独自のハード・ロックを作り出すことに成功したのが本作なのだ。
と言っても当時はまだアシッド風な楽曲やジャズの方法論を導入した展開から、サイケデリック・ロックの旗手として扱われていたようですが、それでもブリティッシュ・ハード・ロックの原点がこのアルバムに違いない。
エリック・クラプトンのディストーションがかったギター、ジンジャー・ベイカーの手数の多いドタバタ・ドラム、ジャック・ブルースの跳ねるベースと、どれも最高のハード・ロックを聴かせてくれます。
さらにジャック・ブルースもクラプトンもヴォーカリストとしても一流。
そら、カッコ良いに決まってますよ。

アルバムもオープニングからカッコ良くて、「Strange Brew」はもろにブルーズの影響で出来た曲で、ギター・ソロもブルーズまっしぐら。
そして間髪入れずに続く「Sunhine Of Your Love」が最高。
私にとってのクリーム初体験となったこの曲は重厚なイントロからベース、ギター、ドラムの絡みが絶妙なのは当然、ブルースとクラプトンのヴォーカルの絡みもメチャ良い。
次のアルバムに入ってる「White Room」と並ぶクリームの代表曲ですね。
「Swlabr」のブルースのヴォーカルとクラプトンのギターの掛け合いというより、バトルもかなりの聴きものだし、「Tales Of Brave Ulysses」では初めてクラプトンが新たに導入されたワウ・ペダルのギターも聴きどころ。
このあたりのワウの使い方は間違いなく「White Room」へと繋がっている。
「We're Going Wrong」は全体的に控え目な演奏だが、さりげなくドラムが良い味を出してるし、要所でのギターもやっぱりクラプトンだなと思わせる。
それにブルースのじっくり聴かせるヴォーカルが最高だ。
とにかくこのアルバムは全てが聴きどころです。
これ以降のアルバムも良いし、やっぱりクリームは偉大なバンドですよ。

クラプトンは好きやけど「Change The World」以降しか知らない人には、余計に聴いて欲しいアルバムですね。
この時代のクラプトンってこんなにカッコ良くうねるギターを弾いてたって事を知って欲しい。
ちなみに私は昔からクラプトンを聴いているが、クリームやドミノス時代、あるいはソロの初期の頃が好きすぎて「Change The World」以降のクラプトンは微妙だったりします。
[PR]
by sy_rock1009 | 2006-04-16 22:23 | 洋楽アルバム・60's
アート・ロックの最高峰
ニューヨークの生んだ異端的なグループ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド。
(以下ヴェルヴェッツ)
今回はそんなヴェルヴェッツが67年3月に発表した、バナナのジャケットがあまりに有名なアンディ・ウォーホールのデザインによる、通称”バナナ・ジャケット”と呼ばれるコチラのアルバムを紹介です。
最近はマニアックなアルバムが多かったので、たまにはこんな有名どころも押さえときましょうかね。

●THE VELVET UNDERGROUND & NICO / THE VELVET UNDERGROUND & NICO
●ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ / ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ


b0054129_2054262.jpg
Tracks
 1.Sunday Morning
 2.I'm Waiting for the Man
 3.Femme Fatale
 4.Venus in Furs
 5.Run Run Run
 6.All Tomorrow's Parties
 7.Heroin
 8.There She Goes Again
 9.I'll Be Your Mirror
10.The Black Angel's Death Song
                      11.European Son


最初にも書いたがこのバナナ・ジャケットはホンマに有名だ。
レコードではバナナ部分はシールになっていて、剥がすとなぜかピンク色した実が現れるというギミックを施したジャケットになっているんだが、その他はバンド名もアルバム名も
クレジットされておらず、ただ単に自分の名前”Andy Warhol”という文字が入っているだけの、さすがポップアートの創始者と言われるアンディ・ウォーホールらしい、訳の分からんデザインだと言える。
あと、ストーンズの「STICKY FINGERS」もそうだが、エロさを連想させるところもロック・アルバムのジャケットとして秀逸なんじゃないでしょか。

でも、このアルバム・ジャケットのデザイン自体は知ってても、実際にアルバムを聴いた事がある人って少ないんじゃない?
少なくとも私のまわりではリアルタイムでないという年齢的なものもあるが、聴いたことがあるって人はいない。
発売当初はその異端ゆえに一般に認知されず、批評家達にも無視され全米171位に終わったが、解散後に多くのフォロワーを生み、その後のロックに与えた影響は計り知れないものがある。
デヴィッド・ボウイをはじめ、セックス・ピストルズ、パティ・スミス、ロキシー・ミュージック、ニューヨーク・ドールズや多くのパンク・バンドはすべてヴェルヴェッツの影響下にあると
言って良いでしょう。
そうなったのもこのアルバムは数々のタブーを打ち破り、反社会性を持った内容という点が後のバンド(特にパンク・バンド)に繋がっていったからだと思う。
例えば「I'm Waiting for the Man」はホモ、「Venus in Furs」はSM、そして「Heroin」はそのままドラッグ等、当時としてはタブーな事柄を1つの作品にまとめ上げ、そういう反社会性がパンクに派生していったと思うのだ。
とりわけ共作も含め全ての曲を手掛けているルー・リードの才能は凄いに尽きる。
とにかくこのアルバムが残したものは大きいのだ。

その大きさが証明するかのようにアルバム発売のちょうど20年後にあたる87年に発売された「TOP 100 ALBUMS」という単行本では史上7位に選ばれている(確か現在でも同じ7位だったと思う)。
やっと時代が追いついたという感じでしょうか。
当然、今聴くと古臭さはあるが、それでも名盤には変わりなので、一度は聴いてみるのも良いでしょう。

ちなみにファンが選ぶベストな3曲は「Sunday Morning」「I'm Waiting for the Man」「Heroin」で、私が一番好きなのは「Sunday Morning」です。
とにかく良い曲だ。
もう1つちなみにヴェルヴェット・アンダーグラウンドという名前は、サド・マゾを扱ったポルノ本からとられたものらしい。
[PR]
by sy_rock1009 | 2005-11-02 21:12 | 洋楽アルバム・60's
クリムゾン・キングの宮殿
”衝撃のデビュー・アルバム”と形容されるアルバムは数多くあれど、今回紹介する
このキング・クリムゾンのデビュー・アルバムほど、その言葉を体現しているものはない。
まさに真の”衝撃のデビュー・アルバム”と言えるだろう。
という事で今回はコチラのアルバムを紹介です。

KING CRIMSON / IN THE COURT OF THE CRIMSON KING
●キング・クリムゾン / クリムゾン・キングの宮殿


b0054129_13183383.jpg
Tracks
1.21st Century Schizoid Man
 including Mirrors
2.I Talk To The Wind
3.Epitaph
including:
 (a)March For A Reason
 (b)Tomorrow And Tomorrow
4.Moonchild including:
 (a)The Dream
 (b)The Illusion
5.The Court Of The Crimson King
 including:
 (a)The Return Of The Fire Witch
 (b)The Dance Of The Puppets

1969年10月10日に発売された本作は、初登場で全英アルバム・チャートの5位という記録を打ち立てる。
さらにその後、長期に渡って1位に居座ってたビートルズの傑作「ABBEY ROAD」
蹴落としてトップにまで上りつめるという快挙を成し遂げた。
この事だけでも”衝撃のデビュー・アルバム”というに相応しいものではある。
だが、このアルバムを語る上でビートルズを蹴落としてだとか、チャートが何位だとか、
そんな事はさして重要ではないのかも知れない。
一番重要なのは当然ながらアルバムの中身そのもので、高度で完成された演奏力、
狂気と静寂の対比というものを全5曲約44分で表現した構成力。
こんなインパクトのあるデビュー・アルバムは他にないと断言しても良い。
またジャケットからして強烈である。
今は亡きバリー・ゴッドバーによるこのカバーは、アルバムに漂う緊張感を代弁しているかのような凄まじいインパクトで見た者の脳裏に焼き付ける。
ホント、すべてが完璧なのだ。

もちろん曲そのものも凄まじい。
まずはやっぱりオープニングの「21st Century Schizoid Man」に尽きる。
このアルバムだけでなく、全クリムゾンのキャリアを含めても代表曲といっておそらく差し支えないであろう。
イコライザーで歪ませたヴォーカル、ファズをかけまくってこれまた歪ませたロバート・フリップのギター、狂気的なまでのサックスによるリフ、叩きに叩きまくったドラム。
そして、頭が痛くなるようなエンディング。
まさにジャケット・ワークと一体となった狂気的な質感を持った曲だ。
この曲を聴いてクリムゾンのファンになった人も多いと思うが、実は私もその1人で初めて聴いた時は、もうブッ飛んだ。
すでにピンク・フロイドにどっぷりハマッていた私だったが、プログレというジャンルそのものにどっぷりハマるまでには至ってなかった。
それがこの曲との出会いによってフロイド以外のプログレ・バンドにまで目を向けさせたという点で、私にとっては特別な意味のある曲なのだ。
おかげで今ではすっかりプログレ大好き人間になってしまったが…。
ちなみにこの曲の邦題は最近では「21世紀のスキッツォイド・マン」となっている。
私はこの表記が大嫌いである。
倫理上不適切な表現との理由からこうなってしまったが、やはりこの曲の邦題は当時のように「21世紀の精神異常者」という表記の方が趣があって私は好きだ。

続く2曲目「I Talk To The Wind」は一転してのスロー・ナンバー。
フルートとメロトロンが綺麗に絡み、グレッグ・レイクのヴォーカルもオープニングとは全く違い、曲に溶け込むかのような見事なヴォーカルを聴かせる。
1曲目の激しさとこの曲の落ち着きの落差こそ”狂気と静寂の対比”の象徴とも言え、
クリムゾンの持つ大きな魅力の一つだと私は思う。

3曲目の「Epitaph」もクリムゾンの代表曲のひとつで、このアルバムのベスト・トラックと言えるかも知れない。
ここでもメロトロンが印象的に使われ、ピート・シンフィールドの詞も素晴らしい名曲だ。
グレッグ・レイクのヴォーカルも甘いようでもあり重々しいようでもあって、曲調や歌詞と非常によく合っている。
混迷さを”美”というものに置き換えた素晴らしい曲だ。
そう言えば昔、フジテレビで放送してた「カルトQ」ってクイズ番組で、問題が出題される前にこの「Epitaph」のイントロが一瞬だけ使われてた。
その時は思わず「おっ!」と思ったもんだ。
って、全然関係ない話やけど…。

4曲目「Moonchild」は本作では一番地味な存在の曲だ。
だが駄作というものではない。
他が凄すぎるので、どうしても影が薄くなる。
約12分という、このアルバムで一番長いで曲でもある。

最後の「The Court Of The Crimson King」も、またまたクリムゾンの代表曲の一つで、約10分もある大作ナンバーである。
イアン・マクドナルドとピート・シンフィールドの二人による楽曲だが、とりわけ作曲したイアン・マクドナルドの才能が遺憾なく発揮された、彼の最高傑作とも言える作品だ。
演奏面でもまたまた効果的に使われているメロトロンにフルート、マイケル・ジャイルスの素晴らしいドラム、すべてが見事で完璧なラスト・ナンバーと言える。

このように簡単ながら曲の紹介をしたが、ロックは当然、クラシック、ジャズ、フォークなどのさまざまな要素を導入し、アルバム全体をただならぬ緊張感で包み込んでいる本作は、プログレだけじゃなくロックというジャンルすべてで見ても永遠に語られる名盤と言えるでしょう。
決してプログレというジャンルは万人受けではないが、もしロック好きで聴いた事がないって人がいれば、それはかなりの損をしているので是非聴いて欲しいもんです。
それでもし気に入れば以降のアルバム、特に「LARKS' TONGUES IN ASPIC」「RED」あたりもきっと気に入るはず。
これらともども聴いてはみてはどうだろう。
[PR]
by sy_rock1009 | 2005-05-04 12:33 | 洋楽アルバム・60's