ファンタジーのファンタジーな世界
1973年というプログレッシヴ・ロックの成熟期に出たにも関わらず、当時はあまり話題にならず不発に終わってしまったというバンドがあったりするけども、このファンタジーというバンドもまさにそんなバンドだったりします。
という事で、今回はファンタジーの73年のアルバム「PAINT A PICTURE」なのだ。

●FANTASY / PAINT A PICTURE
●ファンタジー / ペイント・ア・ピクチャー


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Tracks
 1.Paint A Picture
 2.Circus
 3.The Award
 4.Politely Insane
 5.Widow
 6.Icy River
 7.Thank Christ
 8.Young Man's Fortune
 9.Gnome Song
10.Silent Mine


最初にも書いたようにアルバム発売当時は不発に終わったファンタジー。
だが、純粋にファンタジーの良さが分かってきたロック・ファンが増えたのもあるだろうし、はたまた不発に終わった影響からか高いプレミアのついたレコードをただ単に手元に置いておきたいというマニアな人達も当然いただろうが、とにかくファンタジーのサウンドを追い求める人達が年が経つにつれ増えていったようであります。
もちろん私は当時のそんな状況は知りませんけどね。

ともかく理由はどうあれ、CDのない時代はそんなプレミア化されたレコードを探すって人がいた事になるんですけど、ソレと言うのもファンタジーというバンドのサウンドが純粋に良いからに他ならないと思うんです。
実際に私が聴いた時も「これはなかなか良いサウンドや!」と思いましたしね。
このサウンドならプレミアがついてても欲しくなるのは分かる気がします。

まあ、今はもちろん紙ジャケでCD化されてるので、当時のように苦労してまで手に入れる事はなくなったけどね。

そんないわゆる隠れた名盤のファンタジーのサウンドは、スッゲー簡単に説明するとバークレイ・ジェームス・ハーヴェストのような、ほんわかサウンドだったりします。
それも初期のバークレイ・ジェームス・ハーヴェストにより近いかな。
基本、ほんわかした牧歌的な香りをプンプン漂わせながら、プログレ成熟期の作品なだけに静と動のメリハリの効いた対比がくっきり出たダイナミックな構成もあったりで、かなり聴き応えのあるものになってる気がしますね。
もちろんB級には違いないけど、じっくり聴いていくとこれをただ単にB級の一言で済ませてしまうのは、何ともカワイソウなところでもある。
それぐらい個人的には良いと思った。

それにこのアルバムにもやっぱりとばかりに使われてるメロトロンですけど、キーボード奏者のデイヴ・メトカーフのプレイがなかなか良い味で、ほんわかサウンドにプラスして、ちょっとけだるいドンよりした雰囲気も混ざったりして、少し不思議な感じのサウンドになったりします。
静と動だけでなく、さらにほんわかとドンよりの対比もファンタジーの特徴でもあり、いかにもイギリスらしいところでもありますね。

アコースティックのギターも艶っぽいサウンドですし、それにヴォーカルが意外と甘い歌声なんで、非常に聴きやすい。
耳にすんなり入ってくる感じかな。

とにかくバンド名にピッタリと合った幻想的なジャケットと言い、テクニック以上に一つ一つの演奏を大事にした音使いと言い、ほんわかの中にもドンより、そして哀愁のあるサウンドのファンタジーはバークレー好きなら迷うことなく聴いて欲しい一品であります。

ちなみにこのバンドは5人組ですけど活動期間は約1年と言う、非常に短命のバンドであります。
だから隠れた名盤なんでしょうけどね。
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by sy_rock1009 | 2007-12-07 00:02 | 洋楽アルバム・70's
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