オレは地球上で最高のベーシストだ!
今回はジャズ・アルバムなので全然ロックではないんやけど、ある意味ロックにも通じるかなと思う、ジャズ/フュージョンの最強バンド、ウェザー・リポートが77年に発表した傑作アルバム「HEAVY WEATHER」を紹介です。

●WEATHER REPORT / HEAVY WEATHER
●ウェザー・リポート / ヘヴィー・ウェザー


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Tracks
1.Birdland
2.A Remark You Made
3.Teen Town
4.Harlequin
5.Rumba Mama
6.Palladium
7.The Juggler
8.Havona




ジャズの帝王であるマイルス・デイヴィスのセッションで共演したジョー・ザヴィヌルとウェイン・ショーターが意気投合し、2人が中心となって71年に結成されたのが、このウェザー・リポートなんですけども、やっぱり本当の意味でのウェザー・リポートのスタートはジョー・ザヴィヌルとジャコ・パストリアスとの出会いからだと思いますね。
その出会いってのは、ウェザー・リポートのライヴがあった日、ジャコが会場近くでいきなりジョーを捕まえて「オレは地球上で最高のベーシストだ!」と言って、デモ・テープを渡して売り込んだのが最初だったようです。
かなり有名な話で、いかにもジャコらしいエピソードで私の好きな話なんだが、この時はさすがにジョーも「オレの前から消えうせろ!」ってな感じにブチ切れたらしい。
まあ、いきなりそんな自身過剰に寄って来られたら、普通うっとうしいと思うわな。

でも、ちゃっかりそのデモ・テープを貰ってたジョーは数ヶ月経って何気に聴いてみたようだが、ジャコのあまりに凄いベースに完全にノック・アウトされ、テープにクレジットされていたジャコの自宅に電話して、バンドに誘ったようです。
これで本当の意味でのウェザー・リポートが完成。
それでも76年のアルバム「BLACK MARKET」ではゲスト扱いだったが、この「HEAVY WEATHER」から正式メンバーとしてウェザー・リポートにジャコが参加。

すると、どうでしょう。
ジャコ加入以前のウェザー・リポートと、ジャコが加入後のウェザー・リポートの音の違いがちょっと聴いただけで分かる、この凄さ。
前作「BLACK MARKET」でも「Cannon Ball」という曲に参加したジャコは、自作曲の「Barbary Coast」という曲も提供していて、新しく変わったウェザー・リポートを示していたけども、この「HEAVY WEATHER」では何から何まで新しくなったウェザー・リポートが堪能できます。
やっぱ正式メンバーとなってジャコ自身も余裕を持てるようになったのか、それとも他のメンバーもジャコと一緒にプレイするのに慣れたのかどうかは分からんけど、とにかく全曲で凄いプレイの応酬となってるんですよね、このアルバムは。

いきなり1曲目の「Birdland」から何とも言えんグルーヴ感で、ノリの良い曲からアルバムが始まるんですけど、この曲はマンハッタン・トランスファーがカバーした事でも有名な、ウェザー・リポートの代表曲なんですよね。
この曲だけでウェザー・リポートの凄さが分かる曲です。
続く「A Remark You Made」はウェイン・ショーターのテナー・サックスがピカイチで、何かテレビの洋画劇場のオープニングで流れそうな感じの綺麗な音と、そのバックでそこはかとなく唸ってるジャコのベースが、かなり良い感じ。
コーヒーが似合う感じの曲です。
そして一転、またノリの良いジャコの代表曲である「Teen Town」と続くんですけど、ベースが跳ねる跳ねる。
ホンマ、この人のベースはリード・ギターならぬ、リード・ベースって感じで、やっぱ後にも先にもこんな凄いベーシストはおらんやろなー。
ジャコはベースのネックのフレットを自分で取り外し、フレットレス・ベースという新しいエレキ・ベースを作った人ってのは有名やけども、そんな事が分かって聴いてても、やっぱりこの音には驚きますね。
そう言えばジョー・ザヴィヌルが最初にジャコのデモ・テープを聴いた時も、ウッド・ベースと勘違いしたようなんで、それぐらいジャコのベースは色んな音が出せるんですよね。
ちょっと言い方を変えれば、不思議で変なベースですよ。
でも、病み付きになるんだな、これが。
ちなみにジャコは13歳まではドラマーで、この「Teen Town」ではベースはもちろん、ドラムも叩いております。
ドラムの腕も相当ですよ。

この前半3曲は特に素晴らしいが、続く曲どれも素晴らしく、ラストの「Havona」ではメンバーの高いテンションによる熱演で終わり、とにかく全てが聴きどころと言えますよ。
ちょっとクセの強いジャズですけど、機会があれば聴いて欲しいですね。
これが気に入れば80年の「NIGHT PASSAGE」も間違いなく気に入るはず。
「NIGHT PASSAGE」から加入するピーター・アースキンのドラムが、ジャコのベースに負けないぐらいに凄い。

でも、やっぱりジャコのベースに尽きるかなー。
ジャコは若くして何とも言えん亡くなり方をしたけども、この人のベースはジャズだけでなく、全てのジャンルのベースに影響を与えたね。
自分で「オレは地球上で最高のベーシストだ!」なんて言ってたけど、ホンマにその通りです。

何ていうか、ジャコ・パストリアスこそロックだよ。
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by sy_rock1009 | 2006-09-12 00:17 | 洋楽アルバム・70's
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