わがままギタリストとは言わせない!
スウェードのギタリストとして衝撃のデビューを飾ったバーナード・バトラーですけど、ブレットとすったもんだがあって脱退、その後も紆余曲折のあった彼が、ついに満を持して98年に発表したのが「PEOPLE MOVE ON」っていう、初のソロ・アルバムであります。
と言いながら、誰も組んでくれる人がいなくなったから、仕方なく一人でやりました説
ってのが、バーニーのファンには考えとしてあったりして。
まあ、それ私ですけどね…。

●BERNARD BUTLER / PEOPLE MOVE ON
●バーナード・バトラー / ピープル・ムーヴ・オン


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Tracks
 1.Woman I Know
 2.You Just Know
 3.People Move On
 4.Change of Heart
 5.Autograph
 6.You Light the Fire
 7.Not Alone
 8.When You Grow
 9.You've Got What It Takes
10.Stay
                     11.In Vain
                     12.I'm Tired


ストーンズのキースがジョージ・ハリスンへの追悼コメントとしていくつかの言葉を残してますけど、その一つにこんな感じのがありました。
「ジミ・ヘンドリックスとかエリック・クラプトンみたいな連中がいるけど、それとは別にバンドと一緒に上手くやっていけるギタリストってのがいるんだ。まさにジョージはそういう男だったんだよ。俺にとってはそういうギタリストの方がよっぽど凄いと思うね。」って感じの事を言ってたと思う。
ジョージのギターにはキースも影響を受けていただけあって素晴らしくカッコ良いコメントですけど、そういう意味でバーニーさんは全然凄いギタリストじゃないのかも?

何しろスウェード時代はヴォーカルのブレット・アンダーソンとの批判合戦の末に、2ndアルバム完成間近ってところで脱退し、その後、多くの人と共演するもパッとせず。
それから元シーヴスのヴォーカリストだったデヴィッド・マッカルモントとマッカルモント&バトラーとして96年に結構良いアルバムを発表したが、これまたマッカルモントのバーニーに対する批判に始まって、結局はおしまいに。
さらにザ・ヴァーヴに加入するも正式にレコーディング参加する事なく、たったの1週間で、ハイ、さようなら。
キースの言った事とはまさに逆の、全然バンドと上手くやっていけない人であります。

でも音楽を聴くにあたって、そんな誰と喧嘩したとか、バンドでこんな揉め事があったとかは、基本的にはどうでも良いってのが実際の話。
やっぱ曲が良いかどうかが一番重要です。
そういう意味では、エゴが強く、すぐトラブルを起してしまうという、ちょっと誤解の目で見られがちなバーニーさんですけど、この人の音楽センスや奏でるギターは常に最高ですよ。
当然、このアルバムにおいてもね。

まず、やっぱ一番の注目はバーニー自らヴォーカルをとってる点でしょう。
スウェード時代にはブレットから”歌えないシンガー”と言われてましたが、実際、私もどんな声してんのやろ?とか、ちゃんと歌えるんやろか?ってな事を思ってましたが、開けてビックリ、良い声してますがなアンタ。
一流のギタリスト&ソングライターは、ヴォーカリストとしても一流やったってのを、このアルバムで初めて証明してみせる事に成功しましたね。
そんな素晴らしいヴォーカルにバーニーお得意の艶っぽいギターと、ストリングスを効果的に使用した構成が中心で、全体的にはおとなしめの曲が多いが、それでも良いアルバムに仕上がってると思います。
なかでも一番のお薦め曲が「Not Alone」です。
もうこれしかない!
大げさとも言えるストリングスに始まり、終始バックでそこはかとなく鳴っているギター。
そして2分25秒あたりから約20秒間ほど続く必殺のギター・ソロがカッコ良すぎ!
スウェード時代に「So Young」等で聴かせてたギターが、ここに蘇った感じです。
「だけど孤独じゃないぜ、最近は」と力強く歌ってるのも、過去のいざこざを振り払ったバーニーの心境が見てとれる歌詞も大変よろしい。
ファンならグッと来るポイント間違いなしです。
もう、文句なく超名曲ですよ、コレは。

でも、他の曲は「Not Alone」ほどギターが目立つことはないし、おとなしいのが揃うので、実を言うとアルバム全てが聴きどころって訳じゃあないんだな。
極端に言うとこの曲の為だけにアルバムは存在するって感じ。
「Stay」なんかも悪くはないけど、やっぱ「Not Alone」のような劇的さはないので、ちょっと印象として弱い。
そこんところがアルバム全体としてちょっと物足りないので残念な感じではある。
それに聴き込むと、やっぱり良いヴォーカリストと組んだ方が、よりバーニーのギターにしろ、ソングライティングにしろ、らしさが発揮できるような気もするかな。
なのでファン以外には厳しいアルバムなのかも。

それでも「Not Alone」だけは万人にも受け入れられるであろう曲だと思う。
やっぱこの曲、最高だわ。
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by sy_rock1009 | 2006-05-28 21:20 | 洋楽アルバム・90's
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