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エロく美しいスウェードの魅力
当初は”ネオ・グラム・サウンド”ってな表現もされ、強烈な歌詞、ブレット・アンダーソンのクネクネ・ナヨナヨした動きとナルシストっぷり、バーナード・バトラーの歌うギターなど、とにかく全てが強烈やったスウェードの登場。
今回はそんなUKチャート初登場1位を記録したスウェードの93年のデビュー・アルバムであり、”ブリット・ポップ・ブーム”が起こるきっかけにもなった「SUEDE」です。

●SUEDE / SUEDE
●スウェード / スウェード


エロく美しいスウェードの魅力_b0054129_19474752.jpg
Tracks
 1.So Young
 2.Animal Nitrate
 3.She's Not Dead
 4.Moving
 5.Pantomime Horse
 6.My Insatiable One*
 7.The Drowners
 8.Sleeping Pills
 9.Breakdown
10.Metal Mickey
                      11.Animal Lover
                      12.Next Life

*日本盤ボーナス・トラック


90年にロンドンで結成されたスウェード。
メンバーはブレット・アンダーソン(vo)、バーナード・バトラー(g,piano)、マット・オズマン(b)、サイモン・ギルバート(dr)という4人で、幼なじみであるブレットとマットがメンバー募集の告知を出したのがバンドの始まったきっかけです。
で、92年に「The Drowners」でデビューしたんですけど、その曲をPVと共に見た私はイントロのギターとドラムの絡みがカッコええなーと思ったのと、「また、どえらい奴が出てきたなー…!」ってのが最初の印象でしたね。
ここでのどえらい奴とは良い意味ではなくて…。

エロく美しいスウェードの魅力_b0054129_19481298.jpgだってその「The Drowners」でのブレット・アンダーソンってのがコレやもん!→
クネクネした動きに粘っこくクセのあるハイトーン・ヴォイス、それにこのナルシストっぽさ全開の見た目で、やっぱり「なんじゃ、コイツ?」って、ほとんどの人は思ってしまうんじゃあないでしょうか。
曲も「ああ、深みにハマる…これ以上支配しないで…でも、快感!」って感じになってるんだが、いきなり「誰か僕に銃を握らせておくれ」ってな歌詞で始まってる事から、結局この深みから抜け出すには殺すしかないって内容の曲になっていて、とにかく妖しいオーラというか毒気をプンプン漂わせていましたね。
それも強烈にエロい毒気のオーラを。
おかげでブレットは”歩く発禁男”なんて呼ばれ方もしてたけど…。

で93年の春にデビュー・アルバム「SUEDE」が出たんだが、ジャケットからしてこんなんやし、曲も相変わらず強烈なのばっかりで、妖しいまでの毒気をそのまま詰め込んだアルバムになってるんですよ。
ホモ・セックス&近親相姦、ドラッグ、殺人など、歌詞だけ見たら頭痛くなりそうなんばっかりなんだな。
ブレットも「大衆を堕落させたい」って言うてたし、ホンマ変な歌ばっかりなのだ。
でも、そんなに強烈な内容やのに、実はかなり聴きやすいってのがこのアルバムの素晴らしいところであります。
タブーを詰め込むだけやったら誰でも出来るけど、肝心の曲が悪かったら意味がない。
そういう意味ではブレット・アンダーソンって人は、ちゃんとした曲を作れる人であり、さらにスウェードってバンドにはバーナード・バトラーという極上のメロディーを弾き鳴らす事が出来るギタリストがいるわけで、デビューにしていきなりイギリスのトップに君臨したのは、ある意味当然のことやったんかも知れませんね。
バーニーの歌ってるかのようなギターは、時にブレットとのツイン・ヴォーカルのような錯覚まで起こさせてしまいます。
「So Young」「Animal Nitrate」なんかが、まさにソレ。
特にこの2曲は素晴らしい楽曲が揃った本作の中でも出色の出来で、私のお気に入り
ナンバーだ。
「So Young」の出だしのピカチュウばりの雄叫びなんか、笑ってしまうほど変やし、
「アハ~~ン」って艶かしい声を連発し、ひっきりなしに1人エクスタシー状態のブレットとは対照的に、ギターとピアノがカッコ良すぎるんですよね、この曲は。
やっぱりバーニーは最高やわ、ホンマ…。
他の曲も良いし、デビュー・アルバムとしては完璧と言っても良いでしょう。
当時はブレットとバーニーの事を「ザ・スミスのモリッシーとジョニー・マーの再来」という表現もしてたし、ホンマにスウェードの登場はかなりセンセーショナルでした。
このアルバムなくして90年代のUKロック・シーンは語れません。
いや、ホンマそれぐらいの出来ですよ。
まあ、次のアルバムのレコーディング中にバーニーは脱退してしまうので、最強タッグと思われたブレット&バーニーのコンビも速攻で解消されたけど…。
でも、ブレットは見事にバンドを立て直して、以後も素晴らしい曲を提供したけどね。

とにかく好みがハッキリ分かれるバンドではあるけど、このアルバムは結構お薦めです。
by sy_rock1009 | 2006-03-16 20:10 | 洋楽アルバム・90's
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