恐怖の頭脳改革
来月にキース・エマーソンが初の単独来日公演を行うという事なんで、今回はそれにちなんでエマーソン・レイク&パーマーが自己のレーベル”マンティコア”設立後、73年に
通算5作目として発表した「BRAIN SALAD SURGERY」を取り上げようと思います。
今じゃすっかりアンパンマンと化し、顔がパンパンに膨れ上がっているグレッグ・レイクだが、当時はカッコ良く、日本ではそんなイケメンぶりのおかげでフロイドやイエスなどよりも人気がありましたねー。

●EMERSON LAKE & PALMER / BRAIN SALAD SURGERY
●エマーソン・レイク&パーマー / 恐怖の頭脳改革


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Tracks
1.Jerusalem
2.Toccata
3.Still...You Turn Me On
4.Benny The Bouncer
5.Karn Evil 9

 a:1st Impression-Part 1
 b:1st Impression-Part 2
 c:2nd Impression
 d:3rd Impression


70年、元ナイスのキース・エマーソン(key.)、元キング・クリムゾンのグレッグ・レイク(vo.b.)、元アトミック・ルースターのカール・パーマー(ds.per.)の3人により、ロンドンで結成されたエマーソン・レイク&パーマー(以下、EL&P)は、ブリティッシュ・ロック・シーンを代表する史上最強のプログレッシヴ・ロック・・トリオであり、数あるキーボードを主体としたバンドの中でも、頂点に立つ存在でもある。
ナイス時代からロックにジャズとクラシックを融合させたテクニカルなキーボード・プレイが評判で、ロック界にとって初とも言えるスター・キーボーディストだったキース・エマーソン。
そんなキースにグレッグ・レイクが当時新しく誕生したばっかりだったシンセサイザーの
導入を提案した事から、EL&Pの画期的とも言える音楽コンセプトが生まれた。
それをもとに発表した「EMERSON LAKE & PALMER」で70年11月にデビュー。
いきなり全英で4位を記録し、その年のブライテスト・ホープNO.1にまで選出されている。
さらにモーグ・シンセサイザーを駆使した音楽を追及し始め、71年5月にはキースのアイデアからなる架空の怪獣をテーマにしたコンセプト・アルバム「TARKUS」を発表し、見事に全英1位を獲得。
その後も3作目「PICTURES AT ANEXHIBITION」(全英2位)、そして4作目の「TRILOGY」(全英2位)と次々に発表し、いずれもヒットを記録する。
またステージでの派手なパフォーマンス、特にキースがキーボードに飛び乗ったり、なぜかナイフを刺したりといったパフォーマンスも手伝って、ギターレスのバンドながら、一躍
人気を博す事になったのだ。
そう言や、チェーンソーでキーボードを切断した事もあったんじゃないでしょうか?
日本公演では日本刀を突き刺したりもしてたようだし、一見するとただの狂人としか思えないパフォーマンスでキースは有名です。

まあ、とにかくそんなEL&Pが5作目として発表したのが今回の本題アルバムであります「BRAIN SALAD SURGERY」なのだ。
”恐怖の頭脳改革”という凄まじい邦題と言い、ガイコツのジャケットと言い、凄まじいインパクトであるが、それもそのはずタイトル名は別にして、ジャケット・デザインは後に映画「エイリアン」でエイリアンのデザインをしたH.R.ギーガーの手からなるものだ。
またこのアルバムは特殊ジャケットで観音開きに開くようになっており、開けると目を見た者は石になってしまうという、ギリシア神話に出て来るメデューサが現れる。
なんだか良く分からんコンセプトだが、とにかく素晴らしいジャケットなのだ。
だがジャケット以上に中身が素晴らしい。
荘厳な「Jerusalem」や叙情的な「Still...You Turn Me On」、一転ふざけた曲調の「Benny The Bouncer」など、トリオ編成の限界を追及し、キング・クリムゾンの
ピート・シンフィールドにも作詞で協力を得て作り上げたその音楽の世界は、アイデア、
テクニック、構成など全てにおいて完成されたものだ。
その高い完成度はEL&Pのもう1つの傑作であり、最後まで走りっぱなしだったイケイケの「TARKUS」を軽くいなす最高傑作と言っても良いでしょう。
特に圧巻なのが組曲「Karn Evil 9」で、第3印象にまで分けられた30分にも及ぶ大曲があまりにもカッコいい。
この曲の為だけにこのアルバムは存在すると言って良いでしょう。
EL&Pの長尺曲と言うと「TARKUS」に代表されるように、最後に向かってひたすら突き進む猪突猛進型の曲想のものがほとんどだったのが、ここでは構成が巧みで、絶妙の対比からなる美、メロディやリズムの伏線の張り方がうまく、30分という長い曲ながら一気に聴かせる。
また本作のメインとして使われているモーグ・シンセサイザーの使い方はまさにロック。
キース・エマーソンの狂ったようなパフォーマンスは、ロックと言うよりある意味パンクではあるが、とにかくこの緊張感は今でも十分に通じます。
EL&Pだけでなく、プログレというジャンルの中においても、超絶的な名盤なので機会があればどうぞ。

まあ、プログレ慣れしてない人が聴くと「なんじゃ、こりゃ?」と思う可能性大だが…。
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by sy_rock1009 | 2005-09-22 00:13 | 洋楽アルバム・70's
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