極上のグルーヴ!
私の中では90年代で3本の指に入る傑作アルバム、クーラ・シェイカーが96年に発表した「K」を今回は取り上げます。
今でもこのアルバムは聴いたりするんですが、UKロック好きなら必ずCDラックに収まっていないといけない名盤と言ってもいいでしょう。

●KULA SHAKER / K
●クーラ・シェイカー / K


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Tracks
 1.Hey Dude
 2.Knight On The Town
 3.Temple Of Everlasting Light
 4.Govinda
 5.Smart Dogs
 6.Magic Theatre
 7.Into The Deep
 8.Sleeping Jiva
 9.Tattva
10.Grateful When You're Dead
                       / Jerry Was There
                      11.303
                      12.Start All Over
                      13.Hollow Man PARTS 1&2
                      14.Ragey One ※

※ボーナス・トラック


クーラ・シェイカーがデビューした当時のイギリスは”ブリット・ポップ”という、今から考えたら一体何やったんか分からんブームの真っ只中やった。
あるいはブームが下降線に入っていく時期やったかも知れんが、とにかくそんな時期に
デビューしたのがクーラ・シェイカーである。
ある時、私は当時していたバイト先の後輩と一緒に、何気なく有線放送を聴いていたんだが、その時に流れてきたのがクーラ・シェイカーの「Grateful When You're Dead」だった。
聴いた時点ではまだバンド名も曲名も二人とも分かってなかったが、この後輩もなかなかの洋楽好きだったので、二人して「うわっ!カッコええー、この曲!」とテンションが上がったのを今でも覚えてます。
二人ともあまりにも衝撃を受けたので詳細を知りたくなり有線に電話して聞きだしたわけだが、ここで初めてクーラ・シェイカーという名前が私の脳にインプットされる。
それからはクーラ・シェイカーにガッツリとハマるんだが、ホンマにクーラ・シェイカーの登場にはぶっ飛んだなー。

メンバーはヴォーカル兼ギターのクリスピアン・ミルズ、ベースのアロンザ・ベヴァン、
キーボードのジェイ・ダーリントン、ドラムのポール・ウィンターハートの4人組で、まあ
オーソドックスと言える編成である。
基本的なサウンドもイギリスの伝統とも言える骨太のグルーヴ感を前面に押し出したものではあるが、このクーラ・シェイカーは少し他のバンドとは違う。
特に同時期のヘッポコなブリット・ポップ・バンドとは明らかに一線を画すものがある。
その要素とは”インドの神秘主義”というものであり、とりわけリーダーのクリスピアンの趣向がサウンドだけでなく、それこそすべてにおいてガンガンに出ているところでしょう。
クリスピアン本人も言っているがジョージ・ハリスンがインドの影響でビートルズ後期に見せたものから、もろに感化されたようだが、とにかくクーラ・シェイカーにはインドというものがなくてはならない要素なのだ。
そもそもクーラ・シェイカーという名前もインドの皇帝の名前から付けているようだし、アルバム・ジャケットもまんまインド。
当然、曲もインド丸出しで「Govinda」ではヒンズー語のマントラで歌われているし、内容もクリシュナを讃えるものだし、「Tattva」というタイトルはインドの思想的格言から引用していて、これにもマントラが出て来る。
他にもそれっぽい曲はあるが、しかしクーラ・シェイカーは単にインドなだけで終わっているバンドではないのだ。
と言うよりも、インドがどうという以前にきちんとロック出来ているところがクーラ・シェイカーの一番良いところである。
クリスピアンはインドの他にも60年代のヒッピーからの影響を受け、ドアーズやグレイトフル・デッドといったバンドも好んだようだが、いくらそういうインドやヒッピーの影響があろうとも、ロック・バンドとして肝心のロックが出来ていない事には、てんで話しにならない。
やっぱりロック・バンドである以上、どれだけ人に「カッコイイ!」と思わせるだけのロックが出来るかが一番重要であって、インドだとか何だとかは、その次に来る要素やと私は思うのだ。
彼らの話が出ると”クーラ・シェイカー=インド”とすぐなってしまいがちがだ、そうではなく、やはり”クーラ・シェイカー=最高のロック・バンド”
と、私はこれを声を大にして言いたい感じですね。

さて、アルバムの方に話を移すがこれだけ熱く語ったほどなんやから、イギリスでは当然のようにヒットし、チャートの1位に輝きました。
アメリカではそんなチャート・アクションとまでは行かんかったが、まあアメリカ人にはクーラのような音楽は分からんと思うので置いときましょう。
とにかく新人バンドがいきなりアルバム・チャートを制したわけですが、アルバムだけでなく、いずれのシングルもヒットを記録している。
2000枚限定で発売したシングル「Tattva」で、そもそものデビューを飾ったクーラ・シェイカーだが、次に発売した正規シングル「Grateful When You're Dead」が35位とまずまずの記録を残す。
これが96年の3月~4月の話であるが、その2ヵ月後の6月に「Tattva」を再発売し4位となった頃からは一気にクーラはイギリスを制するのだ。
8月に「Hey Dude」が2位、9月にいよいよアルバムが発売となって、前述したように
1位を記録し、11月には「Govinda」が7位を、また同じ11月にはツアーで来日も果たしている。
さらに翌年2月にはフル・アルバムには収録されていない曲だが、ジョー・サウスのカバー「Hush」も2位を記録する。
この曲はディープ・パープルのデビュー曲でもあり、多分オリジナルよりパープル版の方が有名だと思うが、パープルのようなサイケっぽさはなく、クーラ版はバリバリのタテノリ・
ロックでめちゃカッコイイ!
もちろん、他のヒットした曲もクーラ独特の極上のグルーヴでカッコイイ!
ギターと唸るベースの絡みも極上なら、それらに呼応するかのような強烈なハモンド・オルガンが聴く者のテンションをさらに上げる。
というか私のテンションを上げる。
もちろん「Grateful When You're Dead」のようなシャウトなヴォーカルも良いし、「Govinda」のような落ち着いたクリスピアンのヴォーカルも良い。
とにかく、何から何まで良いんですよ、私的に。

たったの2枚のアルバムで99年に解散し、活動は3年程しかなかったが、それでもクーラ・シェイカーは私にとっていまだに強烈な印象のあるバンドなのだ。
最初にも言ったけど、UKロック好きならやっぱりCDラックに収まっていないといけない
アルバムだと私は思うなー。
って、事で機会があったら聴くだけじゃなく、実際に買いましょう。
ちなみに次のアルバム「PEASANTS,PIGS & ASTRONAUTS」もカッコイイんだな。

ん~、ホンマにええバンドやった。
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by sy_rock1009 | 2005-08-28 01:22 | 洋楽アルバム・90's
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