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ネオ・クラシカルの帝王
●イングヴェイ・J・マルムスティーン(Yngwie Johann Malmsten)
●1963年6月30日生まれ スウェーデン出身


ネオ・クラシカルの帝王_b0054129_20334215.jpg1963年6月30日、スウェーデンの首都ストックホルムで生まれた”インギー”ことイングヴェイ・マルムスティーンは子供の頃に見たジミ・ヘンドリックスの追悼番組を観てギターを始めだす。
以来、ギターに夢中になったイングヴェイだが、
ディープ・パープルのアルバム「FIREBALL」を聴き、リッチー・ブラックモアから大きな衝撃を受け、さらにギターに夢中になったようだ。
11歳の時に初めてバンドに加入するわけだが、その頃からロックだけでなくクラシックにも興味を持ち始め、独学で学ぶようになる。
中でも自らファンだと語るようにバッハやパガニーニのヴァイオリンに魅了されたようだ。
いくつかのバンドを経験した後、82年に制作したデモテープがギタリスト発掘人であるマイク・ヴァーニーの目に止まり、彼の勧めにより渡米、ロン・キール率いるスティーラーに加入するがアルバム1枚で脱退。
その後グラハム・ボネット率いるアルカトラスに加入し、84年には初来日を果たすが、こちらもすぐに脱退。
遂に自己のプロジェクトであるライジング・フォースを結成する事になる。

と、80年代半ばまでの簡単な経歴を書いたわけだが、ロックではジミ・ヘンドリックス、
リッチー・ブラックモア、あるいはスコーピオンズのウリ・ジョン・ロートから影響を受け、
また同時にバッハに代表されるクラシックからの影響も強いイングヴェイの音楽的特徴は”ロックとクラシックの融合”である。
広い音域にわたるコード・アルペジオを一瞬にして弾き切るスウィープ・ピッキング、力みの一切感じられない軽やかな打弦による圧倒的な速弾きから繰り出されるクラシカルな
フレーズはあまりに衝撃的だったと言える。
イングヴェイの登場により”ネオ・クラシカル”という新しいジャンルまで誕生し、ほどなく”イングヴェイ・クローン”と呼ばれるようなギタリストが登場したりもした。
一時はいかに速くギターを弾くかといった風潮にまでなったりもしたが、それもイングヴェイの影響からなのは言うまでもない。
それぐらいイングヴェイがハード・ロック界にもたらした影響は絶大だったのだ。

そんなイングヴェイを私が知ったのはアルカトラス時代である。
もともとグラハム・ボネットが大好きなので聴きだしたわけだが、グラハム・ボネットのヴォーカル以上にイングヴェイのギターに驚いた記憶がある。
愛器であるストラトキャスターの通称”Duck”を駆使した独特の質感から生み出すフレーズは今聴いてもかっこいい。
ステージでもこの時期は派手に動きまわって若いイングヴェイが前面に出ており、屈伸のようなかがんだ姿勢で左足だけ伸ばすお決まりのポーズや、ギター回しなんかの派手なパフォーマンスもよかったですね。
まあ、今はそこまで当時のようなアクションはないが。
それ以上に体型が当時に比べたら格段に大きくなってる(太ってる)からなんだが…。
しかし、最近はダイエットに成功したのか痩せてきているらしい。

あと、インゲヴェイで大きくなったと言うと体型もそうだが、同時に態度も大きくなっていきましたね。
最初はグラハム・ボネットが先輩という事もあり、やや遠慮気味にしていたところもあったが、すぐに衝突、そして脱退。
そのあとのライジング・フォース以降でも、メンバーの入れ代わりが激しい。
ギターも速いがメンバーのクビを切るのも電光石火の如く早いのだ。
他にもアルカトラスの後任ギタリストのスティーヴ・ヴァイがイングヴェイとは違う形のギター回しをしたにも関わらず、「オレのギター回し、パクんなや!」という子供のようなイチャモンつけたり、カメラマンに対しても「太って見えるように撮ったらブッ殺す!」的な事まで言ったり、かなり訳分からんお人でもある。
そんなお人なので「オレの先祖は貴族で伯爵だったんだゼー!」というような事を言ってた時でも絶対ウソと思ってたんだが、意外とこれは本当のことでした。

と言うようにギタリスト、あるいは音楽家としては一流で、人間としては最悪なイングヴェイですが、そういういところも含めロックらしくて私は大好きです。
今年の12月には来日公演を行うようなので、ファンは当然ながら、興味のある人は行きましょう。
そして、イングヴェイがいかに大きい態度か…じゃなくて、いかに太っているか…とこれも違う、いかに大きい影響力をもったギタリストかを体験しましょう。
by sy_rock1009 | 2005-08-23 20:33 | ギタリスト列伝
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