トリプル・ギターのアンサンブル!
93年2月に発表したデビュー・アルバム「PABLO HONEY」で、輝かしいキャリアを
スタートさせたレディオヘッド。
今回はそのレディオヘッドがデビュー・アルバムの2年後に発表したセカンド・アルバム「THE BENDS」を軽く紹介しようかと思います。
何か久しぶりに90年代のアルバム紹介だな。

●RADIOHEAD / THE BENDS
●レディオヘッド / ザ・ベンズ


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Tracks
1. Planet Telex
2. The Bends
3. High and Dry
4. Fake Plastic Trees
5. Bones
6. (Nice Dream)
7. Just(You Do It To Yourself)
8. My Iron Lung
9. Bullet Proof..I WIsh I Was
10. Black Star
11. Sulk
12. Street Spirit(Fade Out)
13. How Can You Be Sure※
14. Killer Cars※

※国内盤ボーナス・トラック


シングルとしてデビューアルバムにも収録されている「Creep」が、なぜかあのアメリカでも受け入れられる大ヒットを記録する。
これにはロック・ファンも驚いたことであろう。
だが予想外とも言えるヒットに一番驚いたのは他ならぬメンバー達かも知れない。
その驚きがやがてプレッシャーになっていたであろうメンバーが(というかトム・ヨークが)、それらを振り払うかのように生み出したのが、この「THE BENDS」だ。
人によって当然意見は分かれるが、一般的にレディオヘッドの最高傑作と言われているのが、この次に発売される3枚目のアルバム「OK COMPUTER」となっている。
確かに「OK COMPUTER」は凄いアルバムだ。
間違いなく90年代で10本の指に入る傑作だと思う。
でもこの「THE BENDS」「OK COMPUTER」に負けず劣らずの傑作なのだ。
つまり、私の中のレディオヘッドと言えば、この2枚のアルバムになる。
それぐらい、この2枚は素晴らしい。

という事で、それほど私にとって双璧をなす2枚なので、どっちのアルバムの紹介をするか迷ったんですが、「THE BENDS」の方にしました。
急激な気圧の変化によって起こる病気の潜水夫病という意味の、なんとも意味深なタイトルのこのアルバムはポップ寄りだった前作とは違い、ロック色が強まり、全レディオヘッドのアルバムの中でも一番”バンド・サウンド”として、表現されているアルバムだ。
もっともギターだけに限ると前作の方がロックっぽかったが、サウンド全体にしてみると、やはりこちらの方がロックっぽいと言える。
「OK COMPUTER」もロックっぽいが、どっちかというとプログレ色が強く、サウンドもメロトロンなどを導入する事によって複雑化している。
なので純粋な”バンド・サウンド”としてはちょっと違う気がする。
ところでなぜ潜水夫病というような意味のタイトルにしたのかと言うと、それにはもちろん「Creep」がヒットしたという背景がある。
まさかとも言える「Creep」のヒットによって一気にレディオヘッドという名がロック・シーンに広まり、マスコミには良い意味でも悪い意味でも好き勝手に書き立てられ、トム・ヨークは相当なプレッシャーに襲われたようだ。
だからダイバーが急激に海面へと上昇すると起こる潜水夫病というタイトルにした。
つまり、ここで言うダイバーとはトム・ヨークの事であり、海面への急激な上昇は「Creep」のヒットで一気にロック・シーンに踊り出た事を指している。
結果、それによって生まれたプレッシャーを潜水夫病とかけたわけである。
ちなみにトム・ヨークはこの「THE BENDS」のレコーディング中によく聴いてたアルバムにジョン・レノンの「PLASTIC ONO BAND」(邦題「ジョンの魂」)をあげている。
ジョンはこのアルバムのレコーディング前に大きな心の傷を癒すために、アーサー・ヤノフという精神科医が提唱するプライマル・スクリーム療法というのを受けた。
幼年期にあった両親との別離、少年期にあった母の事故死、そして自ら望んだにせよ、長く行動を共にしたビートルズが解散したという事実。
これら心の傷を背負ったジョンが治療の末に出したこのアルバムに、トム・ヨークは自らの心境を重ね合わせていたのかも知れない。
天才は天才同士、惹かれあうといったところだろうか。
まるでスタンド使い同士が惹かれあうかのように…。

相変わらず話が脱線気味になったところで、アルバムの中身に話を移すと、アコースティックとエレクトリックが見事な調和を見せ、素晴らしいアルバムになっている。
まさにギター・バンドとしてのレディオヘッドの最高傑作がコレだ。
この時期、来日公演のキャッチコピーにも”トリプル・ギターのアンサンブル”という言葉がよく使われていたが、レディオヘッドの傑作はUKギター・ロックの傑作でもある。
シングルカットされた3,4,7,12曲目はそれぞれ名曲なのは当たり前だが、それ以外も実に素晴らしい。
おまけにボーナス・トラックまで聴き応えがある。
普通、ボーナス・トラックはおまけみたいなもんなので、大した楽曲じゃないのが普通だが、このアルバムのボーナス・トラックは、もはやボーナスの域を超えている。
最初から最後まで捨て曲など一切ないのだ。
はじめて聴くと”暗い”と感じるかも知れないが、聴けば聴くほどこのアルバムの良さが分かり、ただ暗いだけでなくアルバム全体が儚くも美しいのに気が付く事でしょう。
特に多くの人が本作のベスト・トラックにあげている「Fake Plastic Trees」が、その最たる曲である。
ってな事で、このアルバムは本当に良いので、是非とも聴いてもらいたい一品である。
もちろん「OK COMPUTER」も聴いてもらいたい一品なのは言うまでもない。
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by sy_rock1009 | 2005-05-19 17:40 | 洋楽アルバム・90's
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