ゆっくり飛び立つ、ボストン号!
ブリティッシュ・ロックが好きと言いながら、またまたアメリカン・バンドのアルバム紹介と
なってしまいます。
今回、紹介するのは機械大好きトム・シュルツ率いるバンド、ボストンが1976年に発表したファースト・アルバム、その名も「BOSTON」です。

BOSTON / BOSTON
ボストン / 幻想飛行


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Tracks
1.More Than A Feeling
2.Peace Of Mind
3.Foreplay/Long Time
4.Rock & Roll Band
5.Smokin'
6.Hitch A Ride
7.Something About You
8.Let Me Take You Home Tonight




マサチューセッツ工科大学を卒業し、エンジニアの博士号まで取得していたロック界
きっての秀才トム・シュルツ(g,key)を中心とする5人組として結成されたボストン。
シュルツはポラロイド社の研究スタッフとして働くかたわらで、自宅地下室にプロ顔負けとも言える設備のスタジオを作り、友人のブラッド・デルプ(vo,g)と共にデモ・テープの制作を開始するようになる。
その後、二人はシュルツの大学時代の仲間バリー・グドロー(g)、そのグドローの中学の頃からの友人フラン・シーン(b)、さらにシーンとバンドをやっていたシブ・ハッシャン(dr)を加える。

75年11月、シュルツは自宅スタジオで1人で曲を書き、すべての楽器をこなしつつ、ようやく完成させたデモ・テープをEPICレコードに持ち込む。
最新機材を使用し、それらを使いこなす豊富な知識と溢れんばかりの音楽的才能を持ち合わせたシュルツの作ったデモ・テープは素人とは思えない完成度で、EPICの重役の目に止まりすぐに契約となった。
契約が決まるとメンバーを集めレコーディングを開始、さらにオーバーダビングを約半年ほど続け、ようやくファースト・アルバム「BOSTON」の完成となる。

それにしてもシュルツの凝りようは異常とも言えるだろう。
新人でこれほどのこだわりを持って曲作りをするなど、過去はもちろん現在でもあまり見られない。
特に機材に対してのこだわりは凄い。
既存の設備では納得出来ない彼は、それならと自分でエフェクターなどの機材を作ってしまうほどで(確かロックマンって名前のギター・エフェクターだった)、生粋の機械オタクと言えるだろう。
曲作りの面でも一貫して”ノー・シンセサイザー ノー・コンピューター”を貫き、完璧に完璧を重ねた”超完璧主義者”なのだ。

しかし、そんなオタク度満点なシュルツだからこそ出来たファースト・アルバム「BOSTON」は本当に素晴らしいものになっている。
正直、こんな完成度の高いデビュー・アルバムはそう簡単にお目にかかれるもんじゃない。
音を幾重にも重ねた分厚いサウンド、透き通るような美しいハーモニー。
いつ聴いても新鮮だ。
特に大ヒットシングル「More Than A Feeling」(全米5位:邦題「宇宙の彼方へ」)はあまりにも素晴らしい。
アコースティックからのフェイド・インで始まり、突き抜けるようなブラッド・デルプのハイトーン・ヴォイス、ヘヴィーなツイン・リード・ギター、そしてリフ。
邦題通り、宇宙の彼方にまで突き抜けんばかりの素晴らしい曲だ。
その素晴らしさは後のミュージシャンに多大な影響を与え、特にニルヴァーナの超傑作「Smells Like Teens Spirit」のギター・リフは「More Than A Feeling」の影響で出来上がったとカートが語っている。
(ニルヴァーナはライヴでも「More Than A Feeling」を演奏したこともあり、また「Smells Like Teens Spirit」の間奏に「More Than A Feeling」を組み込んだりしたこともあった)

「More Than A Feeling」以外にも「Peace Of Mind」「Long Time」
「Rock & Roll Band」「Hitch A Ride」など、どれも佳曲揃いの本作はギネスもののロング・セラーを見せ、アメリカ国内だけで1700万枚ものセールスを記録した。
それほどまでに受け入れられた要因はシュルツの作ったこだわりのヘヴィー・サウンドと、宇宙空間的な拡がりを持つメロディアスな展開と言えるだろう。
そんな新しいサウンドを見せつけたボストン・サウンドは”プログレ・ハード”(または
”アメリカン・ハード・プログレ”)という新たなジャンルを生み、後のジャーニーなど多くのアーティストに引き継がれる事になる。

とにもかくにもボストン・サウンドとはシュルツのこだわりの結晶ともいうべきものであるが、こだわりが強すぎるあまり、制作に時間がかかりまくる。
2年後の78年にセカンド・アルバムを発表したあと、次のサード・アルバムが発表されたのはなんと8年後の86年である。
以後、きっちり8年周期でアルバムを発表し、デビューして29年も経つのにアルバムはまだ5枚しか発表されていない。
ホント、呆れるぐらいのスローペースである。
この計算で行くと6作目は2010年に発売という事になるな…。

それでもこのアルバムの素晴らしさはいつの時代でも不変であり、ぜひ聴いて頂きたい
一品であります。
さらにセカンド・アルバム「DON'T LOOK BACK」は、より完成したボストン・サウンドを見せているので、ファーストともども聴いて頂きたい。
個人的にはサード・アルバムの「THIRD STAGE」も大好きです。
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by sy_rock1009 | 2005-03-19 00:34 | 洋楽アルバム・70's
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